講演情報
[O11-4]地域で創る文化祭「はまてん」における文化的処方の一例
濵田 歩美, 濵田 努 (医療法人浜友会きいれ浜田クリニック)
【はじめに】少子高齢多死社会では、治療のみでは埋まらない孤立・役割喪失に介入する社会的処方が重要である。社会的処方は対話で「その人に何が大切か」を確認し、つなぎ役が地域資源へ接続する実践である。文化的処方はその一つで、芸術・文化参加を通じて精神的・社会的健康を支える。本報告は文化祭「はまてん」を社会的処方の場として設計しS氏の事例から意義を検討する。【活動】コミュニティスペース「きいれば」で病院と地域が作る文化祭「はまてん」を初開催した。患者・住民の絵手紙、俳句、盆栽などやコグニサイズ体験なども併設した。作品や活動が知られ称賛されることから自らの生きる価値を再認識すること、また、生きる意欲が生まれ前向きな精神状態へと変化する姿を関わった人々が目の当たりにした。この「はまてん」内では約1年前にがんで余命宣告を受けたS氏(90歳)が歌とピアノを披露。長期記憶により認知症でありながらも暗譜で、また麻痺がある右手で懸命にピアノを演奏し、来場者から多くの賞賛を得た。また2026年2月には闘病中に慰問演奏をしてくれた演奏家が所属するN交響楽団の九州ツアー公演に院長と一緒に足を運ぶ予定。
【考察】はまてんは「患者」という役割を外し、人生史と強みを地域に可視化することで自己肯定感・役割感を回復させる。演奏や作品が媒介となり再会と新しい出会いが生まれ、外出・参加の連鎖が起こる点が社会的処方としての核心である。一方、文化的処方は文化リンクワーカーと呼ばれる人材の確保や地域資源にも左右される。移動支援、認知症への合理的配慮、参加後の継続先(デイケアや認知症カフェ等)への橋渡しを組み込み、孤独感・外出頻度・主観的幸福に加え、継続参加率や紹介経路を含むプロセス評価を行う必要がある。
【考察】はまてんは「患者」という役割を外し、人生史と強みを地域に可視化することで自己肯定感・役割感を回復させる。演奏や作品が媒介となり再会と新しい出会いが生まれ、外出・参加の連鎖が起こる点が社会的処方としての核心である。一方、文化的処方は文化リンクワーカーと呼ばれる人材の確保や地域資源にも左右される。移動支援、認知症への合理的配慮、参加後の継続先(デイケアや認知症カフェ等)への橋渡しを組み込み、孤独感・外出頻度・主観的幸福に加え、継続参加率や紹介経路を含むプロセス評価を行う必要がある。
