講演情報

[O12-1]グループホームで多職種連携により体脂肪率の減少と筋肉量が維持できた症例

本間 英里, 星野 拓磨, 上野 暢一, 村木 佳代 (社会医療法人 豊生会 札幌あんしん在宅医療ネットワーク)
【はじめに】当法人では2015年より管理栄養士による訪問栄養指導を開始し、年間3500件を超えるまで増加している。認知症のある高齢者は行動や気持ちの変化、食事の問題など生活全体に影響する様々な症状を示す。グループホームにおいての訪問栄養指導の介入は単なる食事の助言にとどまらず、多職種連携の重要な役割を果たす。その1例を報告する。
【症例】グループホーム入居中の80代女性。10年前よりアルツハイマー型認知症を発症。入居時体重48kg、BMI21.3であったが2年後体重60.3kg、BMI26.8へ増加。その間、歩行は可能も転倒による右大腿骨頸部骨折受傷。生活機能向上連携として理学療法士の介入があり、InBody測定により筋肉量30.6kg、体脂肪量27.7kg、体脂肪率45.9%との測定結果を受け、訪問栄養指導の開始となった。食事面は主食量の調整と加熱不要のたんぱく質食品の追加を提案。間食は50kcal以内とし咀嚼時間を長くし満足感を得られる食品を提案した。また、食べこぼし対応とし食具の変更を提案し、介護負担軽減に繋がった。理学療法士からは食べた事を忘れての徘徊を歩行機会と捉え、施設内歩行や体操の目標を定めた。介入10か月で体重54.4kg、BMI24.2へ改善。筋肉量30.9kgと若干の増加と、体脂肪量21.3kgへ減少が認められた。体脂肪率は39.2%へ減少し歩行は安定して行うことができている。
【考察】認知症特有の、食べこぼしや拒食、偏食などの課題に対して、個別性を踏まえた対応は必要であり、施設食を生かした盛り付けや配膳方法の工夫、間食の工夫など、現場で出来る対応の提案が重要である。多職種が連携し目的を共有することでQOLの維持に繋がる。訪問栄養指導は食べる力を守り、関わる職員の身近な相談できる専門職としての役割となると言える。