講演情報

[O13-3]在宅医療の24時間対応体制における透明性確保の実践

津田賀 俊1, 渡辺 克哉2, 山田 浩史3, 出倉 良美4 (1.玄冬庵クリニック, 2.医療法人社団日翔会 くれはクリニック, 3.医療法人慶春会 いたみホームクリニック, 4.医療法人社団日翔会 生野愛和病院)
【はじめに】
在宅医療では24時間対応体制の確保が求められており、近年は時間外対応や往診を外部サービスに委託する例も増えている。一方で、夜間・休日において「誰が連絡を受け、誰が判断し、誰が往診するのか」という点について、患者への事前説明や体制の明確化が十分でない場合があることが課題として指摘されている。制度上求められる説明責任を担保しつつ、現場の負担を軽減し、持続可能な24時間対応体制をいかに構築するかは、多くの在宅医療機関にとって喫緊の課題である。
【活動】
当グループでは、15の在宅療養支援診療所の電話回線をクラウドPBXで集約し、夜間・休日は当番の看護師が一元的に受電する体制を構築した。受電内容は医療的内容と事務的内容に分類し、医療的内容については常勤医で構成される夜間当番医にチャットツールを用いて集約報告する仕組みとした。対応の要否は夜間当番医が判断し、必要な場合にのみ往診担当医が出動する運用とした。主治医に対しては夜間・休日の指示確認を求めず、翌日以降の情報共有を目的とした報告にとどめることで、主治医の負担軽減を図った。情報共有はクリニック単位で整理し、内容に応じて通知先を制御する仕組みを導入した。受電業務および医療判断は自院スタッフで内製化し、往診を担当する医師や運転手については一部外部資源を活用した。
【考察】
重要なのは外部サービスの利用の有無そのものではなく、夜間・休日対応における連絡応需者、判断者、往診実施者の役割を明確にし、患者やその家族に対して説明可能な体制を構築することである。本取り組みは、24時間対応体制の透明性を高め、説明責任を担保しながら、在宅医療を持続可能な形で運営するための一つの実践例と考えられる。