講演情報

[O15-1]地域貢献活動における看護師の人材育成に関する検討

馬場 チエミ1, 古賀 幸代1, 中島 貴史2, 塩田 悦仁3 (1.社会医療法人青洲会 百年橋リハビリテーション病院 看護部, 2.社会医療法人青洲会 百年橋リハビリテーション病院 リハビリテーション部, 3.社会医療法人青洲会 百年橋リハビリテーション病院)
【目的】自施設は2022年4月に開院した回復期を中心とする98床の小規模病院である。住み慣れた地域での生活支援を病院の新たな役割と位置づけ、健康教室や認知症カフェを一元管理する「地域貢献活動推進委員会」を発足した。看護部では、地域貢献活動に参画し、高齢者の生活支援や相談対応ができる看護師の育成を目的に、教育プログラム作成の必要性を検討した。【方法】病棟看護師を対象に地域医療・地域連携に関するアンケート調査を実施し、現状と課題を把握した。アンケートは法人倫理委員会の承認を得た。調査結果を基に、看護師が習得すべき内容を抽出し、介護保険制度や行政の相談窓口に関する知識、認知症対応力の強化を中心とした教育プログラム案を作成した。【結果】看護職65名中61名(93.8%)から回答を得た。地域医療・地域連携に関する学習は院内研修が中心で、体系的に学ぶ機会は限られていた。在宅復帰支援や地域連携においては、身寄りのない患者への対応、家族との意思の相違、制度の狭間への対応に困難を感じている状況が明らかとなった。一方、退院指導や多職種連携、生活を見据えたアセスメント、意思決定支援を看護師の重要な役割として認識していたが、地域との具体的な関わり方が分からないという課題が示された。【考察】看護師は在宅復帰支援や地域連携の重要性を理解している一方、地域資源や制度への関与は限定的で、実践は個人の経験に依存している現状が明らかとなった。高齢者が地域で生活を継続するためには、些細な困りごとを相談できる通いの場の存在が重要であり、その中で看護師は対象者の困りごとから生活背景をアセスメントし、適切な支援に繋いていく対応力が求められる。今後は、認知症カフェ等の地域貢献活動を教育の場の一つとして位置づけ、看護師が専門性を発揮できるよう、知識と実践を結びつけた教育計画の構築が必要である。