講演情報

[O15-2]在宅医療における薬局管理栄養士の役割と有用性~薬剤師との同行訪問による連携と多職種への介入実態~

西川 由里子, 皆川 紘美 (日本調剤株式会社)
【目的】
在宅医療における栄養支援の重要性は高いが、薬局管理栄養士による訪問は診療報酬上の評価が未確立である。本研究では、薬剤師の在宅訪問に管理栄養士が同行した事例を分析し、薬剤師との視点の相補性および多職種連携への影響を明らかにし、薬局管理栄養士の有用性を検討する。

【方法】
社内倫理委員会の承認(No.2025-063)を得て実施した。管理栄養士が薬剤師の訪問に同行する体制を構築し、以下を分析した。1)対応状況記録(同年10月中旬〜11月):発見された栄養課題、薬剤師の視点補完効果、多職種との連携を通じた具体的な行動変容。 2)健康相談システム(2025年4月〜11月):介入内容(栄養相談、多職種への情報提供等)と、栄養情報等提供書の活用状況。

【結果】
10月中旬からの約1.5か月間の症例全373件中、約66%(245件)で管理栄養士が専門的視点による課題を抽出した。うち約16%は薬剤師が未把握の課題であり、視点の補完効果が示唆された。 また課題抽出した症例245件中、約62%で多職種への情報共有を行い、うち約20%で処方変更や訪問看護の観察項目追加等、介入内容の変更が認められた。栄養情報等提供書は4月~11月で延べ681件、医師やケアマネジャー等多職種向けに発行され、職種間の円滑な情報共有ツールとして活用された。

【考察】
管理栄養士が薬剤師の訪問に同行し緊密な連携を行うことは、処方内容や服薬状況と栄養状態のリアルタイムな紐づけを可能にし、アセスメントの質を向上させる。管理栄養士が潜在的な課題を発見し、多職種へ具体的提案を行うことで、医療・介護サービスの最適化を促し在宅医療の質を底上げすることが示唆された。本モデルは潜在的な栄養課題の早期発見と適切な介入を可能にする有効な手法であり、こうした実績の蓄積が、在宅医療における薬局管理栄養士の新たな職能評価の確立に寄与すると考える。