講演情報

[O3-3]在宅医療連携を持続させる「運営」の技術
―低コスト・自走型ハイブリッドセミナー130回の実践報告―

大西 肇 (医療法人社団まごころ)
【はじめに】
在宅医療・介護における多職種連携の推進には、医療・介護の現場で直面する課題を共有し、職種や立場を越えて学び合う継続的な場が不可欠である。当法人では、認知症、栄養・摂食嚥下、地域包括ケア、リハビリテーション、ACP、慢性心不全、難病、防災、おひとり様支援など、日常実践に即した現場目線のテーマを中心としたセミナー・交流会を継続して開催してきた。一方で、こうした学びの場を支える運営体制の構築と継続は、多くの地域で共通の課題となっている。

【活動】
四街道地域を中心とした「まごころ在宅連携会」を100回、千葉市周辺地域を対象とした「千葉在宅を考える会」を24回、各スピンオフ企画を含め、令和8年1月時点で計130回以上を開催した。セミナーのテーマ設定や内容企画、演者選定は主に理事長が担い、事務局として当法人が運営全般を担当してきた。運営業務として、申込フォーム作成、開催案内パンフレット作成、メール配信やホームページ・SNSによる告知、申込者管理、当日の参加案内、開催中のオンライン配信状況の監視、開催後アンケートの作成および集計をルーティンとして行っている。コロナ禍以降はZoomおよびYouTube Liveを活用したオンラインおよびハイブリッド開催へ移行し、法人内で保有するノートPC、マイク、スピーカー、ビデオカメラ等の既存機材を用い、外部業者に依存せずスタッフ主体で設営から配信、進行管理までを完結させた。

【考察】
本活動は、セミナー内容の専門性を維持しながらも、運営を定型化・内製化することで、特別なICTスキルや高額な投資に依存せず、地域連携の学びの場を継続できることを示している。運営の可視化と再現性の確保は、特定の個人や資金に依存しない連携基盤の構築につながり、各地域における在宅医療・介護連携の持続可能性を高める一助となり得る。