講演情報

[O4-1]板橋区における東京都在宅難病患者訪問診療事業の活動報告

田中 美帆1, 吉野 正俊2, 鈴木 陽一2, 魚谷 英之2, 三浦 孝顕2, 原田 忠宜2, 塩原 未知代1, 橋本 みゆき1 (1.板橋区医師会 在宅医療センター 療養相談室, 2.板橋区医師会)
【はじめに】日本には在宅で療養する難病患者が受けられるサービスがいくつか存在する.東京都では,寝たきり等により通院の困難な難病患者に対し,在宅難病患者訪問診療事業(以下,当事業)を実施している.当事業は,在宅で療養する難病患者に対し適切な医療を提供するとともに,保健・医療・福祉との連携を図りながら,患者とその家族により良い療養生活を営めるよう,地域における在宅ケア体制の整備・充実を目指し,昭和62年度にスタートしたものである.板橋区における当事業への取組みを報告し、今後の在宅難病医療の発展に繋げたい.
【活動】当事業は“訪問診療”と“ケース検討会”の2つの柱で構成されている.“訪問診療”は通常は大学病院等で外来診療を行う専門医が、患者宅において訪問診療を行う.“ケース検討会”は専門医・地域主治医・訪問看護師・訪問リハビリ・担当保健師・ケアマネジャー等が集合し対象の患者について今後の療養について検討を行う.対象となる患者において,居住地や介護度等の条件はあるものの,費用負担等はなく専門医による診察と多職種によるサポートを受けることができる.板橋区では当事業を積極的に実施しており,その訪問数は年間40件を超え,令和6年度現在,都内最多となっている.単に訪問を行うだけでなく,訪問時やその前後における患者本人や患者家族とのコミュニケーションを通して患者の療養生活全体を支援することにも重点を置いている.
【考察】担当者としては,当事業が活用されることにより在宅で療養する難病患者を取り巻く環境や多職種の連携がより良いものになっていると実感している.一方で,当事業の認知度の低さは課題として挙げられる.当事業が板橋区内のみならず,日本全国に広まることで,在宅難病患者の療養生活がさらに充実していくことを期待する.