講演情報

[O5-2]在宅医療診療所における診療看護師主体の土曜診療体制(NP列)の活動報告

平田 尚子1, 岩本 美希1, 石井 洋介1, 村松 圭司2 (1.医療法人社団 おうちの診療所, 2.医療法人社団 おうちの診療所 附属おうちの研究所)
【はじめに】在宅医療における24時間対応体制では、当直やオンコールを担う医師の負担が大きく、タスクシェア・タスクシフトの推進が求められている。診療看護師(Nurse Practitioner:NP)の活用は急性期医療で進んでいる一方、在宅医療におけるNPの役割に関する報告は多くない。そこで当院では、医師の負担軽減と体制の持続可能性を目的に、土曜日の日中診療をNPが主担当する体制を導入した。本報告では、その導入プロセスと初期運用の工夫・課題を共有する。【活動】都市部に位置する在宅療養支援診療所で、平日夜間や休日に行う往診の判断と対応は、これまで当番医が担っていた。土曜日のオンコール対応件数が多いことから、2025年4月より、土曜9〜18時をNPが主担当する「NP列」を新設し、オンコール医がバックアップする体制とした。導入前は平日に緊急往診の初期対応をすることでシミュレーションを行った。運用開始後は、スムーズな運用のためのカンファレンスを定期的に実施している。また、NP列の診療実績や導入前後の影響を定量的に評価するため、カルテ情報を用いた後方視的観察研究を開始した。(日本在宅医療連合学会倫理・利益相反委員会承認済:受付番号2025-30)【考察】 土曜日の日中診療をNPが担う体制は、医師の拘束時間や心理的負担の軽減だけでなく、NPの継続的な関わりを通じた患者・家族支援の質向上にもつながる可能性がある。一方で、NPと医師の役割分担の線引き、判断が難しい症例への相談のしやすさ、NP自身の学習機会の確保など、運用面の課題も明らかになってきている。今後、後方視的研究によりNP列導入前後の診療アウトカムや医療資源利用を検証し、在宅医療におけるタスクシェア・タスクシフトの具体的なモデルとして、体制整備に生かしていきたい。