講演情報

[O6-1]在宅療養支援病院における看取り場所の決定~在宅か入院か~

渡海 大隆, 谷口 育昌, 門田 耕一郎, 高橋 優二, 中村 優子, 野元 健行 (重工記念長崎病院)
【はじめに】当院は2018年より訪問診療を開始し、2020年より在宅療養支援病院(在支病)として訪問診療を行っている。在支病としての歴史は浅く、看取り場所の決定に苦慮することもあった。【目的】看取り場所を決定した要因を分析し、地域にふさわしい在支病の在り方を検討する。【対象と方法】2020年9月~2024年12月まで「死亡」終了となった102名。自宅または施設で亡くなった「在宅群」と入院後に亡くなった「入院群」とに分け、それぞれの要因についてretrospectiveに比較した(院内倫理委員会承認)。【結果】在宅群は57例、入院群は45例、男女比はそれぞれ23:34、19:26、平均年齢は84.7歳、86.5歳であった。死亡や入院の主因は在宅群では癌(60.7%)と老衰(21.4%)、入院群では癌(35.6%)と肺炎(35.6%)が多かった(Fisherの正確検定;P<0.01)。入院の理由は「原疾患以外の急病」が25例と最も多く、肺炎などの呼吸器疾患が半数以上を占めた。また「原疾患の増悪」では呼吸困難が7例と最も多かった。希望入院のうち、約8割は家族の要因であった。主治医別では、看取り総数が多い医師ほど在宅での看取りが多い傾向にあった。時系列では入院群はほぼ一定であったのに比べ、在宅群では多峰性がみられ、COVID-19とのリンクがみられた。【考察】がんや老衰などの慢性的経過による看取りは在宅で可能なことが多いが、原疾患以外の急変時は入院を要する場合があり、在支病の強みが活かされていた。肺炎を含む呼吸困難は家族の心理的負担が大きいため入院となることが多いが、在宅でも可能なケースも混在する。今後は医師やスタッフも経験を積むことで在宅でも看取りができる可能性があり、柔軟な対応を行いながら地域のニーズに応じた訪問診療を行うことが必要である。