講演情報

[O7-1]地域の実情に応じた“つながり続ける”場づくりを目指して~在宅医療コーディネーターの実践から見えた課題と可能性~

山田 佳子 (稲城市医師会(いなぎ在宅医療・介護相談室))
【はじめに】
厚生労働省は、医療・介護両ニーズを有する高齢者の増加を予測。筆者が勤務する地域でも、療養状況の多様化、支援者不足や高齢化がみられている。そこで、地域の実情に応じた連携を重要視し、2024年、PDCAサイクルに基づく取り組みと、コーディネーターの活用を強調した。筆者は2018年から、在宅医療コーディネーターとして、市民や専門職の相談窓口を担う。本報告は、活動から見えた「地域に応じた連携」の重要性と課題について考察する。
【活動】
筆者の地域には、医療・介護事業所が所属する連絡会があり、連携が取れているとされていた。しかし、コロナ禍で連絡会が開催できず情報共有の場が失われ、相談窓口への問い合わせが増加。これにより、有事に強い連携体制の構築が必要と実感。他にも、ある病院では「連携はとれている」と認識がある一方、他の病院からは「連携の場がない」との声もあり、捉え方に差があることも判明。そこで、地域医療の連携強化を目的に、地域内の病院に所属する連携担当者が集う『地域連携連絡会』を発足。開催会場を持ち回りとし、各機関が主体的に関わるよう工夫した。第2回より、訪問診療医療機関も参加。介護事業所を会場として見学会も実施した。参加者からは「施設の様子がわかり、紹介しやすくなった」との声が聞かれ、見学会が支援の具体化に寄与することが示された。無理なく継続していけるよう年2回の開催とし、事務的な運営は筆者が担うことで体制を整備した。
【考察】
活動を通し、平時と有事における連携の脆さを痛感した。連携には、日頃からの関係づくりと情報共有が不可欠であり、医介連携の中心として在宅医療コーディネーターがその意識を持つことも重要である。制度にとらわれず、調整役として地域全体を見渡し、橋渡しを担う姿勢が必要と考える。今後も相談窓口の活動を通じて、地域の実情に即した医療・ケアの発展を目指したい。