講演情報
[O8-4]終末期在宅患者における人工栄養投与の実態と臨床転帰:自然な看取りを支える意思決定支援
草永 真志, 永井 康徳 (医療法人ゆうの森 たんぽぽクリニック)
【目的】超高齢社会において、終末期患者への人工栄養投与の適応判断は在宅医療の重要課題であるが、その方法が生存期間や身体的苦痛に与える影響は十分検証されていない。そこで当クリニックにおける終末期在宅患者の栄養投与実態と臨床転帰を後方視的に検討した。
【方法】2024年8月から1年間に当クリニックで死亡診断を行った177名を対象とした。終末期の栄養方法を経口摂取群(経口群)、末梢静脈栄養群(末梢群)、中心静脈栄養群(中心群)、経管栄養群(経管群)に分類し、生存期間および身体的苦痛(喀痰・浮腫の増加)を評価した。
【結果】急変例16例、分類不能例27例を除外し、解析対象は134例であった。経口群117例、末梢群6例、中心群1例、経管群10例であった。食欲低下から死亡までの中央値は、経口群20.5日、末梢群20.0日、中心群79日、経管群643.0日であった。身体的苦痛は経口群23.1%、末梢群66.7%、中心群100%、経管群50%に認めた。中心群と経管群の7例は訪問診療開始時点ですでに人工栄養が導入されていた。訪問診療開始時点での終末期の人工栄養投与希望(無/有/未定)は、経口群で(48/3/66)例、末梢群で(2/1/3)例であった。
【考察】在宅終末期では人工栄養の新規導入は少なく、自然経過を尊重した看取りが実践されている現状が明らかとなった。特に、食欲低下後の末梢輸液は生存期間の延長に寄与せず、むしろ喀痰や浮腫の増悪を伴う可能性が示唆された。本研究は症例数に限界があるものの、終末期における栄養投与は延命よりも苦痛増強のリスクを伴いうることを示した。一方、訪問診療開始時点で意思決定が未整理な症例が多い現状は、終末期を見据えた早期からの価値観共有と意思決定支援の重要性を示唆している。
本研究は日本在宅医療連合学会倫理委員会の承認(承認番号2025-14)を得て行われました。
【方法】2024年8月から1年間に当クリニックで死亡診断を行った177名を対象とした。終末期の栄養方法を経口摂取群(経口群)、末梢静脈栄養群(末梢群)、中心静脈栄養群(中心群)、経管栄養群(経管群)に分類し、生存期間および身体的苦痛(喀痰・浮腫の増加)を評価した。
【結果】急変例16例、分類不能例27例を除外し、解析対象は134例であった。経口群117例、末梢群6例、中心群1例、経管群10例であった。食欲低下から死亡までの中央値は、経口群20.5日、末梢群20.0日、中心群79日、経管群643.0日であった。身体的苦痛は経口群23.1%、末梢群66.7%、中心群100%、経管群50%に認めた。中心群と経管群の7例は訪問診療開始時点ですでに人工栄養が導入されていた。訪問診療開始時点での終末期の人工栄養投与希望(無/有/未定)は、経口群で(48/3/66)例、末梢群で(2/1/3)例であった。
【考察】在宅終末期では人工栄養の新規導入は少なく、自然経過を尊重した看取りが実践されている現状が明らかとなった。特に、食欲低下後の末梢輸液は生存期間の延長に寄与せず、むしろ喀痰や浮腫の増悪を伴う可能性が示唆された。本研究は症例数に限界があるものの、終末期における栄養投与は延命よりも苦痛増強のリスクを伴いうることを示した。一方、訪問診療開始時点で意思決定が未整理な症例が多い現状は、終末期を見据えた早期からの価値観共有と意思決定支援の重要性を示唆している。
本研究は日本在宅医療連合学会倫理委員会の承認(承認番号2025-14)を得て行われました。
