講演情報

[O9-2]在宅・施設における看取りを支える「人生を聴く力」の育成― 多職種参加型ACPガイドランナー養成事業の活動報告 ―

古賀 美佳, 川﨑 淳子 (株式会社flagMe)
【はじめに】Advance Care Planning(ACP)は、在宅療養および施設・在宅看取りを支える意思決定支援の中核として、地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担う。しかし現場では、ACPが医療職の役割に限定されがちであり、介護職や相談支援職(MSW等)を含む多職種が主体的に実践できる教育モデルは十分に整備されていない。本人の生活背景や価値観を日常的に理解する多職種がACPを担うことは、在宅・施設を問わず切れ目のない意思決定支援につながると考えられる。本活動では、多職種によるACP実践を可能にする人材育成事業の内容と得られた知見を報告する。【活動】本育成事業は、医療職、介護職、相談支援職(MSW等)を対象に、3ステップ・6か月間で構成されるACPガイドランナー育成プログラムとして実施した。前半ではACPの理念、認知症における意思決定支援、地域包括ケアと在宅療養・看取り、関連制度を講義と双方向型ワークで学習した。後半では、受講者が介護施設において入居者へのACP面談を実践し、講師による個別フィードバックを受けるOJTを行った。「人生を聴く」コミュニケーションを中核に、価値観・人生観・死生観の言語化支援を重視し、多職種での事例共有と振り返りも実施した。 【考察】本活動により、多職種がACPを担う際の課題として、価値観を言語化する対話の難しさや職種間の制度的立場の違いが明らかとなった。一方で、受講者はACP実践への自信を高め、在宅療養支援や施設看取りの場での活用が進んでいる。受講後アンケートでは満足度は極めて高く、地域包括ケアにおける多職種ACP実装に資する人材育成モデルとしての有用性が示唆された。