講演情報

[O9-3]竜巻被害時における在宅医療・介護現場の対応と課題―アンケートによる活動報告―

露木 義章 (おかにし内科 糖尿病・甲状腺クリニック)
【はじめに】2025年9月5日に発生した台風15号に伴う竜巻被害は、住宅やライフラインに被害をもたらし、在宅療養者の生活および在宅医療・介護提供体制にも影響を及ぼした。突発的な竜巻災害において、在宅医療・介護現場で実際に生じた課題や対応を把握することは、今後の災害対応を検討する上で重要である。本活動は、被災地域の居宅介護支援事業所および訪問看護ステーションを対象にアンケート調査を実施し、被害状況と対応の実際を整理・共有することを目的とした。【活動報告】榛原郡吉田町、牧之原市、焼津市の居宅介護支援事業所および訪問看護ステーションに対し、台風15号に伴う竜巻被害に関するアンケートをFAXで送付し、FAXでの返送を依頼した。回収数は、居宅介護支援事業所が焼津市24/33(73%)、牧之原市3/4(75%)、吉田町6/6(100%)、訪問看護ステーションが焼津市7/8(88%)、牧之原市0/1(0%)、吉田町1/1(100%)であった。調査内容は、被害状況、ライフラインへの影響、在宅療養者の安全確保、業務継続への影響、発災時の対応および必要と感じた支援等とした。停電や建物・道路被害により、訪問の遅延など業務調整に支障を来していた。医療的介入の必要とされる利用者は少なかったが、建物被害により避難を必要としたり、停電による熱中症や脱水を発症したが、そのまま自宅看取りを希望されたケースもあった。【考察】本活動から、竜巻のような予測困難な災害では、物理的被害に加え、情報収集や安否確認の困難さが在宅医療・介護継続の大きな課題となることが示唆された。一方、平時からの多職種連携や地域内の関係性が、迅速な対応につながった事例も認められた。今後は、在宅療養者を含めた被災想定に基づき、災害時にも機能する連絡・情報共有体制を地域で整備していく必要がある。