講演情報

[OEL03-2]在宅人工呼吸器で知っておきたい基礎知識 ~もう機械に振り回されない!~

平野 恵子 (JA広島総合病院 臨床工学科)
院内の人工呼吸管理においては、患者さんの呼吸状態が日々変化することから、病態に応じて迅速に対応できる高性能機種の人工呼吸器が使用されます。一方、在宅人工呼吸管理への移行は、呼吸状態が安定し、ご家族による日常的な管理が可能であることが前提となります。そのため、在宅用人工呼吸器の選択では、患者さんの呼吸状態に適した設定ができることは当然ですが、同時に操作性、コンパクト性、ケアのしやすさといった、療養生活の質を左右する要素も重要視する必要があります。医療者目線だけでなく、日々の生活を支えるご家族の視点に立った機種選択が、安全で持続可能な在宅療養においては重要です。さらに、近年多発する災害への備えも欠かせません。在宅では商用電源を使用しているため、停電時は人工呼吸器の内部バッテリーのみでの稼働となります。バッテリー持続時間には限界があることから、自動車のシガーソケットからの電力確保、外部バッテリーの準備など、最低24時間程度の電源を複数の方法で確保できる体制を整えておくことが重要です。これらの使用方法や避難経路、緊急連絡体制などを、ご家族と定期的にシミュレーションしておくことで、いざという時の冷静な対応が可能になります。本企画では、在宅人工呼吸管理における各種デバイスの特性を理解し、患者さんとご家族が中心となって安全に呼吸管理を行えるよう、人工呼吸器本体や回路、加温加湿器などの関連物品の適切な使用方法や、日常ケアにおける注意点をお伝えします。機械に振り回されることなく、患者さんとご家族の安心・安全な在宅人工呼吸療法を支えるための実践的知識を習得していただければ幸いです。