講演情報

[OEL06-1]在宅生活を支える呼吸リハビリテーション

池内 智之1,2, 津田 徹1 (1.霧ヶ丘つだ病院, 2.長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
2011年 霧ヶ丘つだ病院 入職
2019年 吉備国際大学大学院修士(理学療法学) 課程終了
2020年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 博士課程入学(在学中)
2023年 霧ヶ丘つだ病院 呼吸リハビリテーションセンター科長 就任
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を始めとする非がん性呼吸器疾患は増悪を繰り返しながら終末期へ向かうため,医療・介護依存度が高くなる.そのため,在宅医療において包括的なケアは極めて重要である.
 呼吸リハビリテーションは運動療法とセルフマネジメントを中核として構成されている.その有益性として運動耐容能,呼吸困難,健康関連生活の質(QOL)を改善し,予定外受診や入院回数および期間を減少させることが報告されている.在宅においても,適切な評価に基づく運動療法,呼吸法指導などのコンディショニング,身体活動量の維持・向上,セルフマネジメント支援は有効である.しかし,「呼吸不全に関する在宅ケア白書2024」のアンケート調査によると,外来で呼吸リハビリテーションを実施している施設は全体の32%であり,呼吸器疾患患者の54%が呼吸リハビリテーションを受けたことがないと回答した.また,患者の要望の中に“呼吸療法に知識のある理学療法士・作業療法士による訪問リハビリテーションの充実”という回答が29%あった.さらに北九州市においては,市民の呼吸リハビリテーションの認知率がわずか14%と低いこと,呼吸器疾患患者の要介護度は低く見積もられていること,介護支援専門員が呼吸リハビリテーションをケアプランに組み込むには十分な情報源と知識を備えていることが重要であることを報告してきた.このように呼吸リハビリテーションの普及には,認知度の向上,提供体制の整備,質の向上など課題は山積している.
 本講演では,非がん性呼吸器疾患に対する呼吸リハビリテーションの意義とエビデンスを多職種で共有し,多くの地域で普及していくことと,実践に繋げていくことについて論じたい.