講演情報

[OS02-1]在宅医療で足を診る視点 ― フレイルや転倒リスクを見逃さない ―

岡部 大地1,2 (1.株式会社ジャパンヘルスケア, 2.都立広尾病院)
2012年 三重大学医学部を卒業。医師として総合診療を中心に臨床に従事。
2017年 予防医療の社会実装を目的に、株式会社ジャパンヘルスケアを創業。
2018年 診療領域を総合診療から「足」に特化し、筋骨格系疾患予防を軸とした診療・研究を開始。
2020年 千葉大学大学院 先進予防医学共同専攻を修了(医学博士)。
2025年 都立広尾病院にて「足の総合診療外来」を新設・担当。
在宅医療の現場では、転倒や骨折、歩行障害を契機として生活の質や自立度が大きく低下する患者を多く経験する。一方で、腰痛や膝痛といった訴えに対する診療は行われていても、足部の状態が十分に評価されないまま経過する例は少なくない。実際に在宅患者の足を診ると、外反母趾や足部変形、爪や皮膚のトラブル、浮腫などが重なり、歩行の不安定さや活動量低下につながっているケースが多くみられる。足の問題は痛みや不快感を通じて歩く機会を減らし、結果としてフレイルの進行や転倒リスクの増大に関与する。在宅患者ではすでに足の状態がかなり悪化しており、積極的な介入が難しい場面も多いが、それでも足を診ることで、現在の歩行機能や生活上のリスクを捉え、在宅医療の中で可能な範囲での介入や支援につなげることができる。本発表では、在宅患者の診療支援に関わってきた経験をもとに、在宅医療の現場で押さえておきたい「足を診る視点」を整理する。基本的な足部アライメントの考え方、日常診療で役立つフットケアの工夫、さらに専門医療機関や多職種との連携のポイントを紹介し、足の問題を見逃さずに生活機能の維持につなげる視点を共有したい。