講演情報

[OS02-4]隠岐島前病院の地域住民へのアプローチ
「足健診」の成果と働き世代の健康への関心度の課題について

武田 梢 (隠岐広域連合立 隠岐島前病院)
2000年 千葉県生まれ。
2023年 東京メディカル・スポーツ専門学校 理学療法士科卒業。理学療法士免許取得。
2023年~現在 島根県にある隠岐島前病院に理学療法士として入職。住民向けの足健診、健康教室や小中学校への理学療法士参入など地域予防活動に取り組んでいる。
【背景・目的】隠岐島前病院(以下当院)は隠岐諸島・西ノ島町(人口2,444人、高齢化率48.4%)に位置する。当院では硬性立体インソールを用いた足部アプローチを行っており、足部痛や変形性膝関節症でリハビリテーションを受ける患者の多くにインソール適応が認められ、作成件数は増加している。一方、医療機関を受診していないものの偏平足や外反母趾など足部の悩みを抱える住民も多く、早期発見・早期介入の重要性が高まっている。離島という医療資源が限られた環境下で、生産年齢人口減少に伴う働き手不足も課題であり、働き世代の健康維持が重要である。そこで島内唯一の病院として、住民の身近な相談機会を増やすことを目的に「足健診」を企画した。【方法】役場健康福祉課と協力し、地域交流施設にて足健診を実施した。対象は20歳以上とし、硬性立体インソールの作成を委託している評価体系と同系統の足部評価システムを用いて当院リハビリスタッフが1人あたり10分で足部評価を行い、ストレッチ指導や他関節リスクについて説明した。働き世代の参加促進を目的に、健康相談、骨密度測定、手洗いチェッカー等のブースを設けた。また、町報掲載、診察室での医師からの案内、事業所訪問による説明、ワクチン接種会場での保護者への周知など、多面的な広報活動を行った。【結果】受診者は55名で、20~50代は17名(約30%)であった。事後アンケートでは満足度および足への関心のきっかけとなったかについて肯定的回答が98%であった。要受診判定は36%であり、未受診者の早期発見につながった。【課題・展望】足部の悩みを抱える住民は多い一方、相談機会が不足していることが明らかとなった。特に働き世代の関心は相対的に低く、参加促進が課題である。今後も島内唯一の病院として単発に留めず、検診から受診・介入へつなげ持続的・包括的な住民支援体制の構築を目指す。