講演情報

[OS09-2]コンパクトシティ豊島区における多職種連携の深化と在宅医療の実践~医師会の取り組み~

土屋 淳郎 (医療法人社団創成会土屋医院)
H07年 3月 昭和大学医学部卒業
H11年 3月 昭和大学大学院 医学研究科 博士課程修了
H19年 4月 太田熱海病院内科部長
H21年 1月 医療法人社団創成会土屋医院 副院長・内科医長
H24年 4月 医療法人社団創成会土屋医院 院長
【目的】日本一の高人口密度を誇る豊島区は、生活圏内に医療・介護資源が凝縮された「コンパクトシティ」としての特性を持つ。本講演では、豊島区医師会が主導する地域包括ケアシステムの構築において、ICT利活用や顔の見える関係性が、在宅医療における多職種連携をいかに行ってきたかを報告する。
【背景と課題】豊島区では高齢化の進展に伴い、独居高齢者や老老介護世帯が急増している。限られた都市空間の中で、患者が住み慣れた地域で最期まで暮らすためには、医療・介護従事者の物理的近接性を活かした、より迅速かつ密な連携体制の構築が必要であった。
【取組の内容】豊島区医師会は、在宅医療の質向上と多職種間の情報共有を目的とした「豊島区医師会多職種連携ネットワーク」を構築。医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、ケアマネジャー等が気軽に患者情報を共有し、急変時等の対応力強化や、区内を8カ所の地域包括支援センター圏域ごとの多職種研修会や「顔の見える」事例検討会を定期開催し、職種間の心理的ハードルを解消。コンパクトシティの利点を活かし、徒歩や自転車圏内での緊密なフィードバック体制を確立した。
【結果と展望】
これらの取組により、在宅療養支援診療所とケアチームの連携が円滑化し、豊島区における在宅死亡率および看取り実績は向上傾向にある。今後は、医療・介護のみならず、地域の民間事業者やボランティアを巻き込んだ「豊島区型地域包括ケア」をさらに深化させ、都市部における持続可能な在宅医療モデルの確立を目指す。