講演情報

[OS15-3]在支診薬剤師と訪問看護師の協働からもたらされるもの

松橋 久恵 (株式会社訪問看護ステーションひまわり サテライトそら)
1997-2018年国立がん研究センター東病院勤務
2010-2025年感染管理認定看護師
2019年から訪問看護ステーション勤務
私が勤務している訪問看護ステーションは、在宅療養支援診療所の専属訪問看護ステーションである。在宅療養支援診療所とは訪問で得た情報を十分に共有したうえで、看護に反映していると感じている。
在支診薬剤師には薬のことに限らず、疑問や困りごとなど在宅療養支援診療所の窓口のように相談している。薬以外のことも相談するのは、医師の近くで仕事しているので在宅療養支援診療所の方針を踏まえた相談ができるからである。医師に直接確認することもできるが、訪問中だと躊躇するし、端的に伝えられないこともあるので、在支診薬剤師を窓口にすると互いに業務の流れを止めずにいられるし、なにより薬を安全に扱う安心感を得られる。また他の訪問看護ステーションからの相談窓口にもなっているため、知見経験が在支診薬剤師に集約されていることも頼りにする理由である。 
協働実務の例を挙げる。
1例目は予後日単位のがん患者のオピオイドの投与経路変更について、医師との相談に介入してもらった。当初は注射筒輸液ポンプで投与する指示であったが、患者のADL、家族の介護負担の観点から携帯型精密輸液ポンプの方が家族が管理しやすいと思われたため、薬剤調整をしてもらった。
2例目は透析を中止したがん末期患者の鎮静についてである。精神科領域の薬を長期服用してきたことによる耐性形成や、透析中止から注意深く鎮静薬を投与する必要があった。また年末で薬剤手配の心配もある。複雑な状況を理解してくれて、できるだけシンプルな薬剤調整になる提案、そして医師とも共有してもらった。また看護師にガイドラインを紹介していただいた。
このように円滑な業務遂行をサポートしてくれる存在である。
各専門性を熟知した職種間を横断するような役割を担う人がいることは、安心安全な医療体制が強化されると考える。在宅療養支援診療所において、その役割は在支診薬剤師が適任だと考える。