講演情報

[P1-116]在宅医療と地域包括ケアを進める多職種交流会と学会報告会の取り組み

橋田 昌美1, 陶 かおる1, 小森 元2, 喜井 正志2, 大石 絵理3, 清原 尚弘3, 古武 達也1 (1.滝上町国民健康保険診療所, 2.滝上町地域包括支援センター, 3.滝上町役場)
【はじめに】 北海道の山間部自治体A町(人口約2,200人、高齢化率約45%)では、A町診療所の訪問診療利用者は1名のみ。A町内に訪問看護ステーションは無く、近隣都市B市(人口約2万人、高齢化率 約38%)の訪問看護ステーションから訪問看護を受ける者も3名と少ない。限られた医療・介護・福祉資源で地域包括ケアを進めるには、多職種が顔の見える形でつながる必要があると考え、自治体を越えた多職種交流会と学会参加で得た知見を地域に還元する報告会を企画した。 【活動】 2025年1月、A町で医療・介護・福祉関係者53名による交流会を開催した。首長、行政、介護・福祉施設、消防、診療所、訪問看護、薬局、社会福祉協議会が懇談と自己紹介を通じて役割を共有し、顔の見える関係づくりを図った。同年6月にA町職員が在宅医療連合学      会大会に参加し、翌7月に学会報告会を開催し、69名が参加した。報告会で地域包括支援センターは互助を核とした住民主体の支え合いとICT連携、診療所看護師長は有床診療所とACPによる「この町で最期まで暮らす」支援、診療所地域連携室は「聴く姿勢」による信頼構築の重要性を報告し、多職種で地域への応用を議論した。 【考察】 本取り組みにより在宅医療と地域包括ケアを担う多職種が互いの顔と活動を知り、「この地域で 最期まで暮らす」という目標を共有できた。個別対応中心であった連携を、互助やICT、有床診療所、ACP等を軸とした地域全体の仕組みへ捉え直す契機となった。一方で参加は有志に限られ、継続性やアウトカム評価の仕組みは不十分である。そのため医療・介護・福祉・行政で主催を持ち回りとし、2026年1月には障害者支援施設主催の第3回交流会を予定している。今後も交流会や症例検討会、合同研修の定期開催により、活動の評価と発展を図りたい