講演情報

[P1-118]なんでも相談室を起点とした行政や多職種機関連携による虐待防止の一例

淵野 純子 (社会医療法人河北医療財団あいクリ二ック)
【はじめに】在宅なんでも相談室は、年齢、地域を問わずに対応できる相談窓口である。予約なしで相談でき、医療・介護・くらし・なんでも相談できる場所として開設し、「暮らしの保健室」の要素がある。「暮らしの保健室」は、未来型共生社会の入口であり、相談者の聴き役になり、その人の「力をひきだす」予防的役割があると言われている。相談室は、「支える、つながり、つなげる。一緒に考える」を大切に相談に応じてきた。病気への不安や暮らしの心配について、どこに相談すればよいかわからない人は多い。専門職が相談に乗ることで、各関係機関につながり、安心でき、在宅生活が継続できた事例を報告する。
【症例】20代女性 相談室に直接来所、夫と子供の3人暮らし。夫からの暴力をうけていて、精神的に不安、不眠な状態で、精神科受診を希望。自宅に1歳未満の乳児を残してきたことを気にかけていた。行政担当課の関わりはあったが、暴力については、担当職員に伝えていなかった。相談室では本人の話を寄り添いながら傾聴し、本人の許可を得て当日中に行政の担当課の保健師へ連絡した。複数の担当課職員とともに相談室にて緊急カンファレンスを実施し、課題を整理した。当日受診可能な医療機関の調整、保健師による訪問、子供の安否確認を行い、本人の安全確保と今後の方向性を検討した。その結果、子供への虐待に発展する可能性を未然に防ぐにことができた。
【考察】専門職が相談に乗り、課題を見つけ、寄り添いながら聴き、一緒に考えることで、市民の安心につながったと考える。なんでも相談室は、意思決定支援や、地域共生社会の入口になると感じた。今後も、多職種連携をしながら、「地域の人の想い」をつなげ、地域住民が安心して生活できるように支援していきたい。しかし、現時点では知名度が十分とは言えず、今後の広報活動を考える必要があると感じる。