講演情報

[P1-120]地域包括ケアを支える多職種連携の推進が地域基盤形成に寄与し、在宅医療連携拠点として制度的に位置づけられた、札幌市「西区在宅ケア連絡会」28年間の活動について

吉澤 朝弘1, 坂本 仁2 (1.勤医協札幌西区病院, 2.医)社団 坂本医院)
【はじめに】 医療機関の機能分化と地域包括ケアシステムの構築が進められ、急性期から在宅医療・介護まで切れ目のない体制整備が求められている。第8次医療計画では「在宅医療に必要な連携の拠点」が位置付けられ、制度的に多職種連携を推進する方針が示された。西区では平成9年以来、医療・保健・介護・福祉・行政関係者が自主的に連携し「在宅ケア連絡会」を中心に活動を継続してきた。こうした「下から」の取り組みを継続し、令和7年度からは「区域拠点」として正式に指定された。本報告では28年間の活動の経過と成果を振り返り、地域における多職種連携の拠点としての役割と今後の展望を示す。【活動】 連絡会は毎月の事例検討やテーマ別研修、住民参加型シンポジウムを実施し、令和7年12月までに毎月一回計309回開催した。参加者は毎回多職種から80名以上、市民シンポジウムには200名以上が集い、地域全体で関心と参加が広がった。テーマはがん終末期、認知症、神経難病、独居高齢者、障がい者支援、介護保険制度下の地域ケア体制など多岐にわたり、地域包括ケアの基盤形成に寄与した。令和7年3月の第300回記念祝賀会には170名が参加し、成果を確認し今後の展望を共有した。【考察】 在宅ケア連絡会は在宅医療と介護の多職種連携を推進し、地域包括ケアの基盤形成に大きく寄与してきた。令和7年度からは「在宅医療に必要な連携の拠点」として制度的に位置付けられ、これまでの自主的活動が公的枠組みに継続されたことは28年間の成果に対する「上から」の制度的承認と位置付けられる。今後は医師会支部と協働し、退院支援、日常療養支援、急変時対応、看取りまで切れ目なく在宅療養を支える調整・情報共有の中心的役割を果たすことが期待される。地域包括ケアの理念を具現化する拠点として、多職種協働をさらに発展させ、持続可能な在宅医療・介護体制の構築に寄与していきたい。