講演情報
[P1-130]非がん患者の看取り時期における保険制度の運用の在り方について
佐々木 浩美, 吉見 久美子 (日本財団在宅看護センターネットワーク 在宅看護センターポラリス)
【はじめに】介護保険で介入途中に状態が悪化したり、点滴が必要になったり、看取りが近く頻回な訪問が必要になった場合、経験上、特別訪問看護指示書が出されることが多かった。今回、診療所側の保険制度の解釈で、特別訪問看護指示書の発行が左右されるという問題が明らかになり。保険制度について深く考えるきっかけになった。【症例】Aさん90歳代女性、長男夫婦と3人暮らし。202X年より体力の低下があり介護保険でB病院から訪問看護指示書を受け、訪問看護が開始。202X+1年ころから徐々に体力の低下が目立ち、トイレに行くのも家族の介助が必要な状況になった。病院受診も困難になり、Cクリニックの訪問診療を受けることになった。訪問診療を受けた結果、老衰状態であり、予後が悪い事を家族に伝えられた。週1回の訪問で1か月たったころ、「オムツ交換が大変で、おむつ交換したいけど痛がってできない」と緊急訪問の依頼。ご家族の介護疲れもあり毎日の訪問を依頼される。粘液便の頻回な排便があり、疼痛も訴え、身体ケアも必要になった。訪問診療では看取りが近いことを説明された。そのため事業所ではクリニックに特別訪問看護指示書の発行を依頼したところ「オムツ交換は介護保険で行う事」と最初の2週間は出すがそれ以降は出さないとの返事だった。特別訪問看護指示書が切れた2週間後にお亡くなりになった。【考察】訪問看護師は患者さんや家族の状態のアセスメントを行い適切なケアにつなげ、関係機関に情報提供している。その上で特別訪問看護指示書の依頼をかけたり、依頼を受ける。「オムツ交換だから介護保険」ではなく、おむつ交換の行為の中で重要な患者情報を得て予測を立てたり、さらなる悪化を予防する事が可能であり、制度の認知と運用が望まれる。本症例はポラリス倫理委員会の承認(承認番号2)を得て行われました。
