講演情報

[P1-152]精神科主体の訪問診療と精神科コンサルテーションの訪問診療での精神科患者層の比較

徳増 孝明1,2, 大関 理宏2, 細谷 真司2, 小澤 泰典2, 金田 崇良2, 小野 泰平2, 堀 達1 (1.積信会 長谷川病院, 2.あおばリガーレクリニック)
【目的】多くの精神科病院では社会的脆弱性から長期入院となり病院で生活する統合失調症の患者がいる。こうした背景より筆者の勤務する精神科単科A病院では2023年10月より精神科に特化した訪問診療部門を立ち上げた。また筆者は精神科非常勤医師として内科訪問診療を行うBクリニックで精神科治療に携わっている。在宅医療を行う上で精神疾患の合併は多いが、訪問診療で精神疾患を専門に行う運営は少ない。こうした経緯から精神科病院とクリニックにおける訪問診療の患者層を調査し、考察した。
【方法】2023年10月から2025年7月までにA病院で精神科在宅患者支援管理料による訪問診療を行なった精神疾患患者と2019年4月より2025年7月までにBクリニックで在宅医学総合管理料による訪問診療を行なった精神疾患患者に関して、カルテから後方視的に患者層を比較した。日本医学会の倫理指針に則り、長谷川病院研究審査委員会の承認を得た(承認番号262)。
【結果】A病院の患者総数は132人、Bクリニックは215人であった。ICD10コードでこれら2つの医療機関の患者層を比較するとF0(器質因や認知症)やF2(統合失調症)の患者数に大きな違いが見られた。
【考察】F2の患者は高齢であっても時に幻覚妄想状態となり、精神科病院への入院を要するケースがある。そのため内科訪問診療では受け入れが慎重になり差異が生じた可能性が考えられた。こうした結果からF2患者は訪問診療のサービスを十分に利用できず退院の律速となり、長期入院の要因になることが推測された。精神科在宅患者支援管理料を用いた精神科主体の訪問診療では精神科訪問看護と密に連携を取り、再入院を予防するケースや役所での受け入れが円滑になることを経験した。未治療ケースへの介入で保健所等の他部署と連携に課題はあるが、長期患者の地域移行を推進する上で今後も貢献するものと考える。