講演情報

[P1-153]精神障害者の地域生活継続のための自己管理支援へのソーシャルワーカーの役割

長谷 有紗1, 林 裕子2 (1.株式会社町コム, 2.天使大学大学院)
【はじめに】精神障害者の地域生活の継続には自己管理能力と、多職種による支援が重要である。慢性疾患ケアモデル(CCM)は精神保健領域にも応用されているが、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)の具体的役割に焦点を当てた報告は少ない。本発表はCCMに基づく多職種連携における相談支援事業としてのCSWの役割について利用者の自己管理促進への影響について事例を通して明らかにすることを目的とした。倫理的配慮は、記録使用は施設長の許可を得、利用者にはオプトアウト方式を利用した。【活動】対象は双極性障害のA氏40代男性。A氏は診断後10年間自活していたが、症状変化により対人トラブル、支援の中断を繰り返していた。その後、B社の相談支援と訪問看護の利用を開始。利用1年目は、A氏は予定の失念による訪問看護の中止や体調不良の訴えが頻発した。背景には精神的不調が身体症状に現れる認識がなく、自己状態を支援者に適切に伝えられない課題があった。その後症状悪化による入院を経て、グループホーム(GH)への入居とデイケア(DC)の利用に至った。GH入居後も自己状態を認識、伝達できないことは継続していた。3年目にCSWはDC、訪問看護、GHから情報を集約し、各機関と検討し、簡単な予定書きダイアリーを導入し、訪問看護とDCがその都度確認した。利用3年半目頃から、気持ちを記号で記録し、3年目末頃には体調不良時の理由を一言付記することを追加した。その結果、A氏は自己状態を把握と自己管理が定着した。CSWは訪問看護、DC、GHへの情報伝達と調整を継続的に行った。【考察】本事例ではCCMのセルフマネジメント支援と多職種による計画的ケアにおいてCSWがハブとして機能したことで各職種が専門領域に集中しながら利用者への支援が可能になった。CSWの調整や媒介の役割が精神障害者の地域生活の安定に寄与することが示唆された。