講演情報

[P1-157]精神科訪問看護利用者の疾患背景と年齢階級別推移の検討

髙島 佳之1, 次橋 幸男2, 今村 知明2 (1.奈良県立医科大学医学部看護学科, 2.奈良県立医科大学医学部 公衆衛生学講座)
【目的】 訪問看護ステーションから提供される訪問看護(以下、訪看)と精神科訪問看護(以下、精神科訪看)の利用者数が急激に増加しているが、その疾患背景や年齢階級別患者数の変化を評価した研究は少ない。本研究では精神科訪看と訪看の疾患背景と年齢階級別患者数を比較して、その推移を明らかにすることを目的とする。
【方法】訪問看護療養費実態調査(2019年・2023年)を用いて、訪看及び精神科訪看の年齢階級利用者数と傷病分類(主傷病)を分析した。本調査は抽出率1/3の無作為抽出調査であるため、各年の基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)を算定した患者数を3倍に乗じた値を推計利用者総数として算出し、精神科訪看と訪看の年齢階級毎の変化率および主傷病の変化を比較した。
【結果】 推計利用者総数は2019年から2023年にかけて精神訪看で10.7万人から21.5万人(+201%)、訪看で15.3万人から27.0万人(+176%)に増加していた。精神科訪看では50〜60代の中高年層が最多であり、主傷病としては統合失調症圏が53%を占めていた。対して、訪看は75歳以上の後期高齢者が大半を占め、80代が最多となっていた。年齢階級別の変化としては、精神科訪看では10代の若年層で約5倍に急増しており、10代後半ではその他の精神及び行動の障害が51%と最も多かった。また、75歳以上では約2.1倍に増加しており、この年齢層では気分障害が最多であった。訪看では90歳以上の変化率が最も高く、約2.5倍に増加していた。
【考察】精神科訪看の利用者は2019年から2023年にかけて訪看よりも急速に増加しており、その年齢層と疾患背景にも訪看と明確な違いが認められた。精神科訪看では、中高年の統合失調症ケアを中心としつつも、児童・思春期ケアの実践や高齢者の気分障害に対する多様なケア技術が求められる。