講演情報
[P1-162]在宅輸血における訪問診療同行看護師の役割
〜病院輸血から在宅輸血に切り替えを経験したS氏と妻へのインタビュー調査より〜
岩下 美佳1, 若松 詩織1, 大久保 香奈恵1, 井上 美穂1, 藤澤 朋代1, 茂野 さくら1, 加藤 直美2, 坂田 行巨1, 澤田 慎太郎1, 山田 毅1 (1.医療法人社団すまいる やまだホームケアクリニック, 2.医療法人社団すまいる おれんじ訪問看護ステーション たてやまサテライト)
【目的】在宅赤血球輸血ガイドライン策定に伴い、近年在宅輸血療法を提供する医療機関が増加している。血液疾患患者は、継続的な輸血療法を必要とすることが多く、身体的苦痛などの理由から、患者・家族は病院輸血から在宅輸血療法への移行を希望する場合もある。在宅輸血を行う場合、環境整備や関連機関との連携が不可欠である。そこで今回、病院輸血から在宅輸血に切り替えを経験した、血液疾患患者のS氏と妻の思いから訪問診療同行看護師(以下同行看護師)の役割を明らかにする。【方法】S氏と妻に本研究の趣旨を説明。同意を得て、病院輸血から在宅輸血に切り替えを経験したS氏と妻の思いについてインタビュー調査を行い、質的帰納的に分析した。尚、本研究は施設倫理委員会の承認(2025-13)を得ている。【結果】病院輸血から在宅輸血に切り替えを経験したS氏と妻の思いとして、[病院輸血による身体的・時間的負担][在宅輸血への理解][在宅輸血に対する不安][関連機関との連携による安心感]の4つのカテゴリーが抽出された。【考察】S氏と妻は、通院や病院での待ち時間などの身体的・時間的負担があったが、在宅輸血に切り替えたことで負担軽減に繋がっていた。また、在宅輸血に対する不安があったが、医師や同行看護師から在宅輸血について詳細な説明をしたことで、S氏と妻ともに在宅輸血を十分に理解できたと考える。山田らは、輸血実施回数が少ないほどケアの質が高く、在宅輸血で困った点として、家族の負担が大きかったと述べているが、S氏と妻からは不満や負担は語られていなかった。これは、在宅輸血の経験回数に関わらず、同行看護師が毎回訪問看護師と密に連携を図り、可能な限り医療者が傍に居る環境を整えたことが安心感に繋がったと考える。同行看護師の役割は、安全で安心に在宅輸血を行えるように、患者家族の思いを確認しながら、関連機関と密に連携を図ることである言える。
