講演情報

[P1-165]パーキンソン病およびパーキンソン症候群の在宅医療における特筆すべき実践経験:脳神経内科医の役割

黒岩 義之1, 市村 篤1, 渡邊 光行1, 邑山 美奈子1, 武山 明子1, 金森 隆成1, 田中 武則1, 鶴岡 祐介1, 北村 健太郎1, 野中 洋平1,2, 寺田 大輝2, 日比 俊輔2, 平山 啓行2, 平原 悠哉3, 平山 大将3 (1.医療法人社団和啓会メディクスクリニック溝の口, 2.医療法人社団和啓会, 3.福祉開発研究所)
【はじめに】脳神経内科医として5年間で200例以上診たパーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症の在宅医療における特筆すべき実践経験の一部を紹介する。本報告は日本医学会連合「学術集会への演題応募における倫理的手続きに関する指針」に準拠する。当クリニックは常勤医が6名在籍、年間1000の訪問診療を行っている。【症例】PD患者は太鼓連打や自転車の運転が上手である(80代女性)。PD患者は動作が遅いにもかかわらず(無動)、速いリズム運動が得意である(奇異性症候)。奇異性歩行を利用したADL改善のため、施設の床をチェッカーボード模様に改装した。左半身優位のパーキンソニズムでは不安、悲観感情を伴う傾向がある(70代男性)。DLBは了解不能な内容の独特な多弁症状を呈する(70代男性、80代女性、80代男性)。尿閉はDLBに特徴的である(70代男性、80代女性、80代男性)。高齢者PDで未診断の患者が多い。コロナ・クラスタで重症化が顕著なのがPDやDLBである(70代女性、80代男性)。PDでは圧迫性の橈骨神経麻痺の合併が多いが(80代女性)、施設で見落とされ、単なる拘縮として放置されている例がある。訪問診療紹介時の前医の診療情報提供書の診断が誤っていることが少なくない。DLBの患者がアルツハイマー病として紹介されたり(70歳代男性、70歳代女性)、脳幹梗塞の患者が多系統萎縮症として紹介されたりするケース(70歳代男性2名)があった。筋固縮、眼球運動、小脳性運動失調、Babinski徴候等の基本的な神経学的診察を行うことが誤診を見破るのに役立つ。【考察】未診断の治療可能なPDバージンケースを発掘したり、入居時にきちんと神経学的診察を行い、正しい診断と治療を行うこと、様々な合併症を緻密に診ることは在宅医療を成功に導く医学的貢献の一つである。