講演情報

[P1-166]療養環境整備に難渋した進行性核上性麻痺の1例

河合 憲一1, 市橋 真里1, 河合 麻耶子1, 門脇 真由美2, 岩田 尚久2, 岡村 由美子2, 増田 有利江3 (1.社会医療法人蘇西厚生会 まつなみ健康増進クリニック 訪問診療部門, 2.社会医療法人蘇西厚生会 まつなみ訪問看護ステーション, 3.社会医療法人蘇西厚生会 まつなみケアプランセンター)
【はじめに】
進行性核上性麻痺は中年期以降に発症し易転倒性、核上性注視麻痺、パーキンソニズム、認知症などを特徴とする神経難病である。その原因も不明でかつADL低下の進行は早く、車椅子が必要になるのに2-3年、臥床状態になるのに4-5年との報告もある。介護者のいない難病患者の療養場所として自宅が本当に適切であるか調整に難渋し多職種が関わり解決した1例を経験したので報告する。
【症例】
70代男性。8年前に歩行時のふらつきで発症、翌年から言語障害(吃音)を認め神経内科でfollow upされていた。要介護2、訪問看護・訪問リハビリテーションを利用していたが通院が困難となったため訪問診療介入となる。住居は戸建てに60代の知的障害を持つ妹と同居、弟夫婦は遠方に住んでおり介護できない状態であった。介入時点で既に頻回の自宅内での転倒による頭部挫傷等を繰り返しており,自家用車の運転も物損事故を度々起こしていた。老人保健施設等への入所も繰り返し提案したが自宅を手放す事に対する拒否感、妹の世話をする者が自分しかいないという強い使命感から入所の選択肢は望まない意思を示されていた。地域包括支援センターに協力を要請し、ケアマネージャー、訪問看護師、理学療法士他関係各所と情報共有、妹と同時に入所できるナーシングホームが選択肢として挙がった。弟夫婦と本人、妹含め施設見学及び医師との面談を行い最終的に施設入所を本人が承諾、妹とナーシングホーム入所となった。
【考察】
本人のみでなく妹の介護問題を含む療養環境整備について詳細を詰めて相談することは、病状進行により意思疎通困難となった患者に対する支援としては非常に難渋する状態であった。本人がYES-NOで答えられる様多数のClosed-ended questionsを駆使し可能な限り本人(及び妹)の意思を尊重する配慮を行うことが出来た。