講演情報
[P1-168]重症型ムコ多糖症Ⅰ型(Hurler症候群)の成人期在宅医療への移行に伴い、酵素補充療法継続と非侵襲的陽圧換気を中心とした管理が奏功した一例
楢原 創, 松本 章寛, 石川 成美, 前野 有里, 芳賀 紀裕, 薗部 光汰, 野末 睦 (あい太田クリニック)
【はじめに】
ムコ多糖症I型の最重症型であるHurler症候群は、α-L-イズロニダーゼ 欠乏により多臓器が傷害される。特に生命維持に関わる呼吸器・循環器合併症の予後への影響が大きく、酵素補充療法(ERT)や人工呼吸管理、心機能評価といった専門的管理が不可欠である。今回、上記管理を病院、訪問看護と連携し在宅に移行することで、治療の継続及び患者・家族の負担軽減が得られた症例を報告する。
【症例】
20歳代前半。1歳時にHurler症候群と診断されその後ERT導入。僧帽弁閉鎖不全症に対し機械弁置換術、上位頸椎狭窄症に対し減圧術、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対し非侵襲的陽圧換気(NPPV)導入されている。母の希望により当院の訪問診療を開始した。通院は継続するが、負担軽減のため紹介元の総合病院と相談の上でERTを月4回から月2回の在宅投与へ移行、1年以上大きな問題なく実施できている。経過中混合性換気障害による低酸素、高二酸化炭素血症、それに伴う肺高血圧症から右心不全を認め、在宅静脈血ガス分析(vBGA)に基づきNPPV設定を調整した。その後呼吸状態改善に伴い右心負荷も改善した。また、定期的にACPを実施して母の負担、不安軽減を図った。
【考察】
Hurler症候群の予後はERTによって改善しているものの、呼吸器・循環器合併症から20歳以前に死亡する症例も少なくない。本症例では在宅でのERT継続に加え、vBGAにより副作用と換気効率のトレードオフを評価しつつNPPV設定変更を行うことで、混合性換気障害と右心不全を改善し、20歳を超えての生存が可能であったと考えられる。また、在宅でのERT実施への切り替えは通院に伴う患者・家族の負担軽減にも寄与している。今後は多臓器不全の進行を見据え、上記管理及びACPを継続していくことが必要である。
ムコ多糖症I型の最重症型であるHurler症候群は、α-L-イズロニダーゼ 欠乏により多臓器が傷害される。特に生命維持に関わる呼吸器・循環器合併症の予後への影響が大きく、酵素補充療法(ERT)や人工呼吸管理、心機能評価といった専門的管理が不可欠である。今回、上記管理を病院、訪問看護と連携し在宅に移行することで、治療の継続及び患者・家族の負担軽減が得られた症例を報告する。
【症例】
20歳代前半。1歳時にHurler症候群と診断されその後ERT導入。僧帽弁閉鎖不全症に対し機械弁置換術、上位頸椎狭窄症に対し減圧術、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対し非侵襲的陽圧換気(NPPV)導入されている。母の希望により当院の訪問診療を開始した。通院は継続するが、負担軽減のため紹介元の総合病院と相談の上でERTを月4回から月2回の在宅投与へ移行、1年以上大きな問題なく実施できている。経過中混合性換気障害による低酸素、高二酸化炭素血症、それに伴う肺高血圧症から右心不全を認め、在宅静脈血ガス分析(vBGA)に基づきNPPV設定を調整した。その後呼吸状態改善に伴い右心負荷も改善した。また、定期的にACPを実施して母の負担、不安軽減を図った。
【考察】
Hurler症候群の予後はERTによって改善しているものの、呼吸器・循環器合併症から20歳以前に死亡する症例も少なくない。本症例では在宅でのERT継続に加え、vBGAにより副作用と換気効率のトレードオフを評価しつつNPPV設定変更を行うことで、混合性換気障害と右心不全を改善し、20歳を超えての生存が可能であったと考えられる。また、在宅でのERT実施への切り替えは通院に伴う患者・家族の負担軽減にも寄与している。今後は多臓器不全の進行を見据え、上記管理及びACPを継続していくことが必要である。
