講演情報

[P1-189]当院におけるがん訪問診療導入までのリードタイム分析とその遅延要因の検討

上林 孝豊, 細尾 真奈美, 中川 裕美子 (京都民医連あすかい病院)
【目的】当院のがん訪問診療において、依頼から訪問開始までに要する期間の実態と、その遅延要因を明らかにすることを目的とした。 【方法】2024年11月1日から2025年10月31日までの間に当院へ訪問診療の依頼があり、その後導入に至った連続がん症例31例を対象とした。電子カルテ情報を用い、患者背景および導入までの各工程に要した日数を後方視的に調査した。本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】対象は31例であった。平均年齢は77.2歳、性別は女性17例、男性14例であった。ECOG Performance Status(PS)はPS1が9例、PS2が17例、PS3が5例であり、疾患フェーズは治療期7例、緩和ケア主体期24例であった。癌種の内訳は、消化器癌11例、肝胆膵癌9例、乳腺・婦人科癌5例、呼吸器癌4例、その他2例であった。紹介元医療機関は、A大学病院12例、B病院7例、C大学病院5例、当院5例、その他2例であり、紹介時点の療養場所は病院17例、自宅14例であった。導入期間に関しては、紹介受付日から初回訪問日までの日数(総リードタイム)は中央値12日(平均16.8日)、紹介受付日から契約日までの日数(事務調整リードタイム)は中央値7日(平均12.0日)、契約日から初回訪問日までの日数(稼働リードタイム)は中央値1日(平均4.5日)であった。【考察】契約締結後は平均4.5日で訪問開始できており、診療体制への移行は円滑であった。一方で契約に至るまでの事務調整期間については、平均値が中央値を大きく上回り、ばらつきを認めた。これは一部の症例において、患者側の受療意思決定や、紹介元・かかりつけ医との連携調整など契約前の合意形成プロセスに日数を要している現状が示唆された。