講演情報

[P1-19]訪問診療での非言語的コミュニケーションの役割

鈴木 忠広, 海老原 綾香, 大須賀 悠子, 加藤 竣太, 佐藤 佑紀, 鈴木 美紀, 高田 愛, 田畑 真歩, 橋本 美香, 原田 あゆみ, 福地 麻紀子, 降矢 有希, 吉川 美貴, 齋藤 威, 篠田 裕美 (関医院)
【はじめに】訪問診療患者にはADLが低下し外出困難になり自宅に篭りがちになる場合や、終末期には短期間で看取りになる場合がある。様々な患者・家族と時間を共にしていく中で患者・家族と当院の信頼関係構築にもなっている活動を報告する。【活動】自分が担当した個人宅患者(2025年4月から2026年2月までの寝たきり、認知症、癌末期など25名)の誕生日の近い定期訪問診療時にウクレレを持参しお祝いの言葉をかけ「ハッピーバースディ」を演奏合唱し患者・家族と写真を撮り、職員が記載したメッセージを添えてプレゼントしている。患者の多くは誕生日に「おめでとう」と言ってもらえる頻度が減り闘病中は写真撮影の機会が減っている。撮影時には患者・家族とも笑顔になり「いい記念になった」と話してくれたり、亡くなった患者家族からは「あの時、家族との思い出の写真が撮れて良かった」と感謝される事もある。誕生日の他にハロウィン・クリスマスには仮装してもらいウクレレ演奏合唱、写真撮影を行い、患者・家族に季節を感じ楽しんでもらっている。仮装する事で患者・家族を楽しませるだけでなく職員も楽しんで訪問診療ができている。長い間しまっていたハーモニカを出して一緒に演奏してくれる患者や、家族と一緒に歌を歌い笑顔を向けてくれる認知症患者もいる。【考察】ウクレレ演奏合唱、写真撮影の活動を行う事で患者・家族の笑顔を得られ、患者・家族が笑顔になり家族との素敵な笑顔の写真が残る事で多くの家族から喜ばれ、患者・家族との心理的距離が縮まっていると感じる。このような活動は言語化しにくい感情(感謝・安心・別れ)などを共有でき、写真撮影など医療者も一緒に加わる事で医療者ー患者の上下関係が薄まり医療者の立場を和らげる効果があると思う。医療者が患者・家族と同じ空間で楽しい時間を共有し安心感を与える事はお互いの心を繋げる一つの手段になると考える。