講演情報

[P1-193]在宅医療におけるがん患者の終末期過活動型せん妄に対するアルゴリズム使用と患者の年齢との関連

阿部 晃子1, 浜野 淳2, 竹田 雄馬3, 住谷 智恵子4, 橋本 孝太郎5, 佐藤 悠子6, 平本 秀二7, 大屋 清文8, 横山 太郎9, 岡本 宗一郎10, 磯崎 哲男11, 山本 恵理11, 髙橋 眞佐司11, 中山 沙映11, 星野 貴子11, 望月 崇弘11, 川越 正平4, 里見 絵理子1 (1.国立がん研究センター中央病院 緩和医療科, 2.筑波大学 医学医療系 緩和医療学, 3.わかたけクリニック, 4.あおぞら診療所, 5.ふくしま在宅緩和ケアクリニック, 6.岡部医院仙台, 7.ピースホームケアクリニック, 8.ピースホームケアクリニック京都, 9.横山医院 在宅・緩和クリニック, 10.うぐいす在宅診療所, 11.小磯診療所)
【目的】在宅がん患者における終末期過活動型せん妄のマネジメントは重要だが、体系化されたものはない。我々は、在宅医療におけるせん妄治療アルゴリズムを作成し、実施可能性を観察した。本研究では、アルゴリズムの効果的な使用方法検討のため、患者の年齢によるアルゴリズムの遵守状況や病状に違いがあるか探索した。
【方法】在宅医療機関8施設による多施設共同前向き観察研究。本研究は研究カテゴリーⅣ-Bとして所属施設の研究倫理委員会の承認を受け実施した。自宅または施設で訪問診療医による定期的な緩和ケアを受けている成人の進行がん患者で、臨床的にせん妄が疑われる患者が対象。患者の年齢を75歳で2群に分け、せん妄薬物療法のアルゴリズム遵守状況、患者背景や病状などを探索的に評価した。
【結果】登録された42例のうち、アルゴリズムに沿った治療を開始した39例が解析対象となり、75歳未満20例(男性10例)、75歳以上19例(男性8例)。アルゴリズム治療開始7±3日時点で生存していた33例のうち、75歳未満では16例中13例、75歳以上では17例中17例がそれぞれアルゴリズムに沿った治療を行い、治療目標達成度は71%、59%だった。単変量解析では、75歳未満の患者は有意にPalliative Performance Scaleが低く(平均30.0、p=0.05)、オピオイド使用量が多く(経口モルヒネ換算で平均56.3㎎、p=0.002 )、介入期間が短かった(平均5.8日、p=0.011)。
【考察】せん妄治療アルゴリズムは実施可能で有効な可能性があるが、75歳未満の患者では介入時から病状が悪く予後が短い傾向があり、アルゴリズムから逸脱してより鎮静度の高い薬物治療を要する症例が見られた。本アルゴリズムがより効果的で質の高い在宅緩和ケアの普及につながるよう、年齢や病状などを考慮した更なる研究が望まれる。