講演情報

[P1-196]住宅型有料老人ホームにおける看取り症例の検討

岡田 豊1,2 (1.つばさクリニック玉島, 2.つばさクリニック)
【目的】近年、高齢者施設での看取りのニーズが高くなっている一方で、課題を抱えている施設は少なくない。今回当院が行った住宅型有料老人ホームでの看取り症例をまとめ、高齢者施設の看取りにおける課題や支援のポイントについて検討した。【方法】住宅型有料老人ホームに対して過去15年間に当院が看取りを行った患者を対象とした。【結果】15年間で終診になった79名のうち、施設看取りは47名で、転所が17名、状態悪化による入院は15例であった。看取り患者の内訳は男性13名、女性34名、平均年齢は88.3歳。主病名は認知症が26例で最多だった。死因は老衰が33例と6割を占め、次いで慢性心不全5名、誤嚥性肺炎3名であった。入院で終診になった症例の原因としては誤嚥性肺炎、脳血管障害、イレウス、骨折など、ほとんどが急性疾患であった。看取り直前まで施設で実施した医療処置は点滴が28名で、5名がHOTを使用していた。看取り率は2023年以降、終診13例に対して12例(92%)と増加していた。【考察】高齢者増加を背景に人生の最期を迎える場所に施設を選択するケースが増えてきている。しなしながら看取りの実施に関しては消極的な施設も存在する。理由としては、スタッフのマンパワー不足や看取りに対して不安を抱えている、施設と訪問診療医との連携不足などが挙げられる。今回当院が行った症例からは、認知症や加齢障害などの慢性疾患や、処置が最低限でさらに緩やかに最期を迎えるケースが施設看取りを可能とする条件として考えられた。住宅型有料老人ホームにもかかわらずここ数年看取り率が増加している理由としては、24時間対応の訪問診療の存在、デイサービスの看護師による施設入所者の体調管理、介護スタッフの看取りに対する経験値が増したことが考えられた。今後もACPの充実などを踏まえ、施設で最期を迎えられる選択枝が増えるよう、取り組んでいきたい。