講演情報
[P1-198]在宅患者緊急時等カンファレンスを行い、望む看取りになった3例の困難事例
増元 洋美, 中村 千賀, 清地 秀典, 片山 博文, 佐藤 千明, 村上 千幸, 正名 富士子, 中村 幸生 (優幸会 中村クリニック)
【はじめに】 在宅患者緊急時等カンファレンス(以下カンファレンスと略す)は2008年度に新設された制度であるが、その実態の報告は少なく、活用状況は十分に明らかになっていない。当クリニックでは、2023年度から2025年12月までにカンファレンスを49件実施してきた。本報告では、その中からカンファレンスの実施により望む看取りに至った困難事例3例を振り返る。【症例】事例1.50歳代男性、末期がん。独居。自宅看取りを希望していたが、転倒しても自力で助けを呼べなくなり、独居で過ごすのは難しいのではないかと訪問看護師に迷いが生じた。事前に確認していた代理意思決定者である当クリニックと訪問看護で本人の意向に従い、自宅看取りすることを再決定した。数日後本人が強く望んだ自宅看取りを実現できた。事例2.90歳代女性。末期がん、独居。兄弟で母を支える思いの相違があり、家庭内不和が生じていた。カンファレンスを実施し、入院のタイミングを決めたことで、悪化した際の家族が判断する負担が減った。その後緩和ケア病棟と2泊3日の退院を繰り返し、病院看取りとなった。看取り後長女は「話し合いで家族が同じ方向性になれた」と話された。事例3.80歳代女性、末期がん、娘と同居。娘との不和や、娘の医療者に対する攻撃的な言動により振り回され、医療者は疲弊していた。終末期後期、娘の精神的な不安定さが増し、よりいっそう医療者間での連携が必要となりカンファレンスを行った。関わった全員の認識の統一を図った結果、娘の表情や口調が穏やかになり、望まれた自宅看取りができた。看取り後娘は、何度も感謝の言葉を述べられた。【考察】カンファレンスを行うことで、患者、家族と医療者の意思統一を図り、望む医療の提供、看取りに向かうことが示唆された。「これで良い」と関わった人が思えることで、満足のいく看取りになったと考える。
