講演情報

[P1-200]終末期の母とその子供の支援方法の検討
~担当訪問看護師の苦悩を事業所全体で共有するカンファレンスの開催~

西山 めぐみ (SOUシニアケア株式会社)
【はじめに】
ターミナルケアを実践している看護師は患者・家族の看護問題を解決し、患者のニードを満たすことで穏やかに最期を迎えて欲しいと考えている。しかし思うようにいかない状況では「葛藤」や「限界感」を抱える。単独で看護を提供する訪問看護ではその重責感はより大きい。今回、がん終末期の母と児童親子の担当看護師からの「訪問がつらく担当を外れたい」という申し出から事業所内でカンファレンスを実施し、思いを表出し共有できたことで看護師の心理的苦痛が軽減されると共に、親子の訪問看護の方向性を見出し、看護を継続することができたので報告する。
【活動】担当看護師の発言を聞き、他の職員からはこの看護師が看護に自信を失うことを危惧する意見や、この親子の訪問は自分もつらく苦しいと同意する意見が聞かれ、事業所内で看護の方針に揺れる状態となっていた。そこで職員の思いを確認し今後の支援方法を考えることを目的にカンファレンスを実施した。担当看護師が思いを話すと、他の職員からは、肉親との死別体験や自分の親子関係に重ね合わせてしまうつらさ、過去の終末期看護の体験などが語られた。また、倫理の4分割表に沿って親子の状況を整理し、看護の目標を①母の身体的苦痛を緩和し、児童が甘えられる時間を作り母親としての喜びが感じられるようにする。②児童が母の病気への思いや母への気持ちを素直に表出できる時間を作る。とし、残されたかけがえのない時間を支えていくことを確認し合った。担当看護師は親子の担当を継続し母を看取り、児童と一緒にエンゼルケアを実施した。
【考察】倫理の4分割表の活用により客観的な状況整理ができ、看護の方針が感情に偏った判断に陥ることを防ぐことができた。また、カンファレンスにより担当看護師の感情を職員全員が共有し、共感することで、職員間の信頼感が増し支援体制が強化されたことから訪問を継続することができた。