講演情報
[P1-206]地域のつながりに支えられた独居がん高齢者の在宅看取り~近隣住民が拡張家族として関わった終末期支援の一事例~
中瀬 美穂1, 丸山 加寿子2 (1.株式会社CareCreation ケアクリ看護センター, 2.森ノ宮医療大学)
【はじめに】独居高齢者のがん終末期には、緊急事態を想定した医療的ケアの整備や病状悪化に伴う精神面への支援が必須であり、本人が在宅死を希望してもそれを実現することは難しい。今回、病状悪化に伴う不安から「最期まで自宅で過ごしたい」という意思が揺れ動きながらも、別居家族や多職種連携に加え、長年付き合いのある同年代の近隣住民の支援により在宅看取りが実現した事例を報告する。
【症例】 80代男性、肺がん末期の独居高齢者で、長年同一地域に居住し近隣住民とは家族ぐるみの交流があった。BSCとなり、在宅での持続点滴と尿道カテーテル管理が必要で、20XX年より訪問看護を開始した。当初より、本人は看護師へ「最期まで自宅で過ごしたい」という強い希望を伝えていた。しかし症状悪化に伴い、「自宅にいたいが迷惑はかけたくない」「入院した方がよいのでは」と不安を吐露する場面が増えた。その都度、本人と唯一の家族である別居の娘に対して意思決定支援を行った。さらに、同年代で長年家族ぐるみの付き合いがある近隣住民が見守りや緊急時連絡を担い、最期の夜も傍らで寄り添った。看護師は近隣住民からの緊急連絡で在宅での看取りを行った。娘は「ご近所の人に支えられ、自分の生活を大きく崩すことなく、父の望む最期を迎えられた」と看護師へ語った。
【考察】本事例では、①病状変化や不安に伴い揺れ動く本人および家族の希望について、その都度意思決定を支援したこと、②長年交流のある同年代の近隣住民が心理的支えとなると同時に、見守りや緊急連絡など事実上の「拡張家族」として機能したことが、在宅看取り成立の重要な要因であったと考える。最期を自宅で迎えることを望む独居高齢者支援において、看護師は医療連携・多職種連携のみならず、療養者がこれまでに築いてきた地域のつながりに着目し、その力を活用した支援を構築する視点が重要であると考える。
【症例】 80代男性、肺がん末期の独居高齢者で、長年同一地域に居住し近隣住民とは家族ぐるみの交流があった。BSCとなり、在宅での持続点滴と尿道カテーテル管理が必要で、20XX年より訪問看護を開始した。当初より、本人は看護師へ「最期まで自宅で過ごしたい」という強い希望を伝えていた。しかし症状悪化に伴い、「自宅にいたいが迷惑はかけたくない」「入院した方がよいのでは」と不安を吐露する場面が増えた。その都度、本人と唯一の家族である別居の娘に対して意思決定支援を行った。さらに、同年代で長年家族ぐるみの付き合いがある近隣住民が見守りや緊急時連絡を担い、最期の夜も傍らで寄り添った。看護師は近隣住民からの緊急連絡で在宅での看取りを行った。娘は「ご近所の人に支えられ、自分の生活を大きく崩すことなく、父の望む最期を迎えられた」と看護師へ語った。
【考察】本事例では、①病状変化や不安に伴い揺れ動く本人および家族の希望について、その都度意思決定を支援したこと、②長年交流のある同年代の近隣住民が心理的支えとなると同時に、見守りや緊急連絡など事実上の「拡張家族」として機能したことが、在宅看取り成立の重要な要因であったと考える。最期を自宅で迎えることを望む独居高齢者支援において、看護師は医療連携・多職種連携のみならず、療養者がこれまでに築いてきた地域のつながりに着目し、その力を活用した支援を構築する視点が重要であると考える。
