講演情報

[P1-207]当院訪問診療における診療終了患者の転帰からみた在宅看取りの実態と課題

渡邉 祐基 (訪問診療わっしょいクリニック)
【目的】当院訪問診療を受け、診察終了となった患者の転帰を明らかにし、当院における在宅看取りの実態および在宅療養継続の課題を検討することで、患者がより長く、安心して在宅診療を継続するための課題を明らかにすることを目的とした。【方法】2021年7月から2025年10月までに当院訪問診療を受け、診察終了となった患者539名を対象とした。対象患者を死亡患者と非死亡患者に分類した。死亡患者は自宅看取り、施設看取り、病院死亡に分類し、非死亡患者は外来通院切替、施設入所、転院、その他・不明に分類して後ろ向きに解析した。本研究は訪問診療わっしょいクリニック倫理審査委員会の承認を得て実施した。(承認番号:2026-03)【結果】診察終了患者は全体で539名、内訳は死亡患者385名、非死亡患者は154名であった。死亡患者の内訳は、自宅看取り267名(69.4%)、施設看取り24名(6.2%)、病院死亡94名(24.4%)であった。非死亡患者の内訳は、施設入所85名(55.2%)、転院43名(27.9%)、通院切替17名(11.0%)、その他9名(5.8%)であった。【考察】死亡患者の約7割が自宅看取りであり、当院訪問診療が在宅終末期医療のニーズに一定程度応えていることが示唆された。一方、約4分の1が病院死亡であり、家族の心理的不安や介護負担から在宅見取りの希望がなく、在宅療養継続の限界が影響している可能性が考えられた。非死亡患者では施設入所や転院が多く、介護力不足が在宅療養継続の大きな課題であった。今後はACPのさらなる推進や多職種連携の強化に加え、療養中のQOLや家族満足度の評価が重要である。