講演情報

[P1-208]当院でのがん終末期における症状緩和のためのミダゾラム持続投与の実施状況

桶口 史篤, 明和 靖恵, 大石 美緒子 (医療法人くれよん くれよん在宅クリニック)
【目的】
がん終末期には標準的な投薬調整やケアでは治まらない、耐え難い苦痛を生じることがある。このとき、症状緩和のためのミダゾラム持続投与は治療の選択肢となるが、その実施には適応判断や倫理的評価、投与量調整など慎重な対応が求められる。当院でのミダゾラム持続投与の実施状況について、後方視的に調査した。
【方法】
2021年12月から2024年11月までの36か月間に、当院で在宅看取りに至った終末期がん患者201名を対象とした。このうち在宅看取り前にミダゾラムを持続投与した症例について、その適応症状、開始および最終投与量、投与期間と開始時の訪問形態について、電子カルテをもとに後方視的に調査した。なお、本研究はカテゴリーⅣ-B、本学会倫理・利益相反委員会にて承認された(2025-16)。
【結果】
ミダゾラム注を持続投与した症例は44例(21.9%)だった。適応症状(複数該当あり)はせん妄(59.1%)、高度倦怠感(36.4%)、呼吸困難感(31.8%)が多かった一方、不安や疼痛(ともに6.8%)は少なかった。平均開始投与量は8.3±5.6mg/日、平均最終投与量は12.5±12.5mg/日だった。投与期間は1~20日(平均4.5±4.0日)で、1週間以内が86.4%だった。また、開始時の訪問は時間外が34.1%、往診が65.9%だったが、いずれも2名以上の医療従事者による協議が行われていた。
【考察】
国際的な系統的レビューや国内報告などの先行研究と比較して、当院のミダゾラム投与状況は実施率や適応症状、投与期間について概ね一致する結果だった。また、平均投与量はやや少ない傾向がみられたが、呼吸困難感の軽減を目的にオピオイドと併用した場合は調節型持続鎮静に比べて低用量だったことが影響していた。時間外や往診での導入も少なくなく、倫理的評価等を適切に実施できる診療体制の構築が重要と考えられた。