講演情報
[P1-225]距離を超える~病診連携・診診連携による医療的ケア児の在宅療養支援
土屋 菜歩1, 遠藤 若葉2, 北西 龍太3, 田中 総一郎4 (1.やまと在宅診療所栗原, 2.宮城県立こども病院, 3.大崎市民病院, 4.あおぞら診療所ほっこり仙台)
【はじめに】自宅で過ごす医療的ケア児は増加している。地方において、医療的ケア児の通院先医療機関は遠方であることが少なくない。通院負担を軽減し自宅で過ごせる時間を増やすのに、地域の在宅診療所が果たす役割は大きい。在宅診療所で医療的ケア児を受け入れ、病診連携・診診連携により支援を行っている一例を報告する。 【症例報告】幼児期男児。重症新生児仮死による新生児低酸素性虚血性脳症、ウエスト症候群の既往で喉頭気管分離術後、経鼻胃管栄養。定期通院先医療機関は自宅から約70㎞、急性期対応先の医療機関は自宅から約25㎞。訪問診療依頼を受け、介入前に両親、2病院関係者、在宅診療所、相談支援専門員、保健師、訪問看護ステーションによる合同カンファレンスを開催。互いの役割分担や懸念事項についてすり合わせを行った。さらに、受け入れ側の在宅診療所医師が、他地域の小児専門在宅診療所で訪問診療見学に同行した。介入後は在宅診療所による訪問診療と必要時の往診、主治医のいる病院への定期通院とレスパイト入院、圏域の専門医療機関で急性期対応とレスパイト入院の形となった。在宅医から小児科医師への随時のコンサルトや相互の情報提供を行いながら、在宅療養を継続している。 【考察】普段高齢者を中心に診療している在宅診療所において、医療的ケア児の受け入れと支援には小児科専門医のいる病院との連携が欠かせない。介入前の入念なすり合わせと役割分担、小児在宅専門医からの助言、介入後も病院医師に気兼ねなく相談ができる体制と関係性の構築により、不安少なく支援を続けられる。一方、在宅医として地域の介護・福祉とはより密につながることができる。本症例では体調変化時にも小児科医と在宅医が連絡を取り合いながら対応し、入院や救急外来受診に至らずに済むことも増えた。病診連携・診診連携で医療的ケア児の在宅療養をより豊かなものにできると考える。
