講演情報
[P1-23]当院における死亡7日前時点の点滴の考察
藤谷 好紀1, 上田 修三1, 西井 賢俊1, 山下 歩1, 板舛 笑果1, 林 佑哉1, 武藤 英貴1, 能勢 悠介1, 柳澤 克哉1, 菅原 信行1, 田中 裕子1, 山田 寿美1, 宮本 雄気2, 貝田 航1, 守上 佳樹1 (1.医療法人双樹会 よしき往診クリニック, 2.京都府立医科大学 救急医療学教室)
【目的】死亡直前(この研究では死亡の7日前)の点滴は医師と患者家族の間で認識が分かれる。死亡直前の点滴は患者に溺れ死ぬ苦痛があると言われている。一方患者の衰弱により水分や栄養を与えたいと医師に願い出ることが少なくない。死亡直前の点滴は患者家族の希望が殆どであると仮説を立て実態を明らかにする。【方法】2023年4月~2025年3月の当院で看取りの患者を対象とし死亡直前で点滴を実施した患者の割合を記述した。また点滴を実施した患者の開始と終了の提案は誰から行われたか(医師・患者家族)も併せて記述した。【結果】上記期間内の患者194名中57名の29.6%が死亡7日前時点で点滴を投与。死亡原因ごとの割合は悪性腫瘍27.5%肺疾患36.4%心臓疾患21.4%腎臓疾患20.0%神経疾患50.0%老衰33.3%だった。点滴開始は医師の指示が75.4%家族/本人希望が24.6%点滴終了は医師の指示または指示中が87.5%医師が患者家族に助言し中止が8.9%患者家族の申出が3.6%だった。なお57名の患者は死亡日の平均1.8日前まで点滴をしていた。点滴開始の理由は、水分摂取49.1%栄養摂取15.8%脱水状態24.6%腎機能悪化1.8%家族希望7.0%症状緩和1.8%だった。なお点滴の目的は水分摂取が80.7%で平均440mlの投与、栄養摂取が17.5%で平均900mlの投与だった。【考察】点滴開始の患者家族希望が24.6%と医療上必要と判断した事例以外が一定数あった。一方点滴終了は医師の判断が94.7%あった。死亡直前の点滴は患者家族の希望が殆どという仮説は否定され医師が適切に判断し施行されていた。今後も日本老年医学会が定めたANH導入のガイドラインに沿って状況に応じて慎重に判断することが求められる。なお、本研究は当法人倫理委員会承認(承認番号SJ-EC-2025-08)を得て行われた。
