講演情報

[P1-27]訪問看護利用者の災害対策における自助強化の妨げとなった要因

四家 久子, 符田 かおり, 林 佳美 (大阪医科薬科大学訪問看護ステーション)
【目的】訪問看護ステーションが独自に実施する「防災キャンペーン」をふまえ、訪問看護利用者とその家族が災害時に自らを守る力を妨げる要因を明らかにすることを目的とした。本研究は大阪医科薬科大学看護学研究専門部会による倫理審査を受け承認された。【方法】質的帰納的研究デザインを採用し、研究参加者であるスタッフに対象への災害対策へのかかわりを振り返ってもらい、半構造化インタビューを実施し逐語録化・コード化を経て要因を抽出した。【結果】災害時の自助強化を阻害する要因は①災害を現実として捉えられないことによる「災害時に自助行動を阻む心理的ハードル」②認知機能や自己認識のずれによる「認知機能や自己認識のずれによる意思決定困難」③加齢や障害、医療的ケアの必要性により単独避難ができない「身体機能・医療的ケアによる避難制約」④独居や老々世帯、家族の不在などによる「家族による支援の脆弱性」⑤コミュニティの希薄化やマンパワー不足、訪問支援の限界により地域での避難支援が困難となる「地域・社会的支援体制の弱体化」⑥避避難所や生活空間の問題による「避難所・生活環境の障壁」⑦移動手段や避難所へのアクセス困難により自助が制約される「アクセス・移動手段の不足」⑧避難手順や訓練・備蓄が整備されていない「訓練・準備の未整備」の8つに分類された。 【考察】今後の支援策として、心理的支援や避難体験型訓練の導入、認知症高齢者への事前支援体制の構築、医療的ケア利用者への個別避難計画の策定、家族不在時の代替支援ネットワークの整備、地域コミュニティ訓練の強化、避難所環境改善、移動支援の検討、避難手順の標準化と訓練の定期化などが求められる。本研究により災害時に自助を阻む要因を探り、訪問看護が個人・家族・地域社会に働きかける支援策を示すことで、災害対策の実効性を高めることを目指す。