講演情報
[P1-29]在宅人工呼吸器使用児の災害時搬送における課題の検討
― 医療機関間連携による実患者が参加した合同訓練から ―
菅原 信行1, 宮本 雄気1,2, 西井 賢俊1, 山下 歩1, 板舛 笑果1, 武藤 英貴1, 林 佑哉1, 藤谷 好紀1, 能勢 悠介1, 柳澤 克哉1, 田中 裕子1, 山田 寿美1, 貝田 航1, 守上 佳樹1 (1.医療法人双樹会 よしき往診クリニック, 2.京都府立医科大学医学部付属病院)
【はじめに】在宅医療の高度化により電源依存デバイス使用者が増加し、特に人工呼吸器を装着している患者は、停電・災害で電源確保が困難となると呼吸管理の継続が脅かされる。今回、我々は地震による停電時を想定した、実患者・実機を用いた地域災害拠点病院を含む医療機関間の合同搬送訓練を行い、災害時搬送の実務的課題を抽出し、体制整備の必要性について報告する。【活動】2025年度DMAT近畿ブロック訓練に合わせ、在宅療実際養支援診療所AおよびBと地域災害拠点病院Cで、在宅療養者の安否確認、一次トリアージ、病院搬送が必要な患者の移送、Cでの二次トリアージを実践した。搬送対象は6名を想定し、うち1名(神経難病にて在宅人工呼吸器を使用している14歳)患者に参加頂き、実機(人工呼吸器、吸引器、酸素ボンベ、予備バッテリー等)を用いて搬送した。参加者はA診療所・B診療所の医師・看護師・メディカルコーディネーター・事務職員に加え、患者・患者家族および在宅酸素機器の職員とし、①電源確保②機器量・重量③搬送人員④車両条件⑤固定・積載手順⑥搬送動線・ルートを観察・評価した。また参加者全員で災害拠点病院の災害時活動を視察した。実施後の振り返りでは、電源確保が不安定でバッテリーのみでは長時間搬送に不十分、機器量・重量が多く運搬負担が大きい、車両条件に制限があり搭載方法の工夫が必要、固定・積載に時間を要する、搬送ルートの事前整理が必須という意見があった。【考察】災害時において、在宅で人工呼吸器を装着している患者の搬送では電源確保・機器量・人員の3要素が相互に影響し、呼吸管理継続性の不安定さや人員・車両条件の制限が大きな障壁となる。安全な搬送のためには、標準化したケア情報シートの共有、複数の搬送ルートの整理、ならびに実患者を想定した継続的かつリアルな訓練の実施が重要である。倫理委員会の承認番号SJ-EC-2025-05
