講演情報

[P1-31]ALS患者に対する避難訓練を通じて得られたこと
~訪問リハビリから多機関合同の避難訓練へとつながった取り組み~

森口 貴子, 坂口 聡子, 青柳 潤 (医療法人やまとコールメディカルクリニック福岡)
【はじめに】人工呼吸器装着の難病患者避難では避難中や避難先の電源確保と移動支援が必須となる。こうした課題も踏まえた個別避難計画は行政が作成しているが、計画通リに避難できるかを検証する機会は少ない。今回、多機関合同でALS患者(A氏)の避難訓練を実際に行った。これによって明らかになった課題と避難訓練の意義について報告する。【活動】A氏の訪問リハビリ(以下、訪問リハ)の場面で災害時の避難に対する不安を聞き取ったスタッフは避難訓練の実践に向けて支援を進めていた。同時期、保健師がA氏の避難対策について行政に確認していたことから、訪問リハ・介護福祉・行政による合同避難訓練を実施するに至った。実際の訓練では訪問リハが指揮系統を担い、福祉避難所までの動線を電源確保しながら移乗・移動等一連の避難を実施した。この避難訓練を通じて①医療従事者が不在の場合の移乗・移動の難易度が高いこと、②電源確保や機器管理など、個別避難計画には明記されていない実務があるということ、➂「誰がどこをどのように支援するのか?」が具現化されていないこと、などが明らかになった。その後、①や➂の課題に対し役割分担などを多機関で協議した。これにより実際の避難時に医療従事者の有無に影響されない避難の見通しが立ち、避難がイメージできたことで家族の安心感につながった他、避難に対して主体性を生み出すことができた。【考察】今回、多機関合同での避難訓練が実践できたことにより個別避難計画では見えにくい課題が明らかになった。課題の解決や患者の状態変化に合わせて、避難訓練は定期的に取り組む必要がある。そのためには医療・介護福祉・行政が継続的に連携して関われる仕組み作りが重要で、地域の実情に沿った連携構築が地域防災力の向上へもつながると考えられる。