講演情報
[P1-42]緊急対応の有無と訪問看護導入後の入院との関連
小川 智貴 (わかたけ訪問看護ステーション)
【目的】本研究の目的は、当訪問看護ステーションのサービスを利用した対象者において、入院を経験した利用者の特徴をサービス開始時のカルテ情報から分析することとした。【方法】対象は2023年7月1日~2025年6月30日の間にサービスを利用した者とした。65歳未満で介護保険を申請していない者は除外とした。カルテより、開始から14日以内の年齢・性別・サービス種別(要支援、要介護、医療)、定期介入職種(看護師のみ、リハビリのみ、両方)、訪問頻度、緊急対応の有無、家族の有無、疾患の8項目を調査した。サービス開始後の入院の有無により2群にわけて群間比較を行った。さらに、入院の有無を従属変数、カルテより抽出した8項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を実施した。【結果】対象期間内の全利用者527人のうち、357人が対象となった。2群間の比較の結果、緊急対応の有無は入院の有無と有意な関連を示した(p=0.01)。緊急対応の有無と訪問看護導入後の入院発生との関連ロジスティック回帰分析の結果、「要介護5」は入院の独立した危険因子であり、オッズ比は約5.1倍であった。また、緊急対応の有無も有意な保護因子であり、緊急対応がある利用者ではオッズ比が約0.5倍に低下した。【考察】訪問看護導入時の情報より入院発生に関連する因子として、緊急対応の有無と要介護5の認定が独立して関連することが示された。要介護5と認定された利用者は身体機能低下や複数疾患の併存などにより全身状態が不安定であることが多く、入院リスクが高まる結果となったことが考えられる。一方で、緊急対応が実施されている利用者では入院リスクが有意に低下しており、急性増悪時における早期対応や状態悪化の未然防止が入院予防に寄与している可能性が示唆された。本研究は所属機関の倫理委員会に承認された後に実施した。
