講演情報

[P1-46]当院における「患者のやりたいこと支援」実践の現状

菅 勇基 (たんぽぽクリニック)
【目的】当院では、外出や趣味活動、イベント開催、食支援など、患者の希望する活動を支援する「やりたいこと支援」に取り組んでいる。本研究では実践事例を分析し、支援拡大のための課題を明らかにすることを目的とした。【方法】2020年4月から2025年7月に当院で「やりたいこと支援」を実施した患者の疾患、疾患時期、希望の出所、支援内容等を後方視的に分析した。【結果】支援を検討した症例は165件で、実施率は158件(95.3%)であった。未実施例は7件(4.7%)で、多くは終末期患者の状態急変によるものであった。疾患時期では終末期94件(57%)、維持期71件(43%)と終末期患者が過半数を占めた。疾患別では悪性腫瘍67件(40.6%)と最多で、脳神経障害、呼吸器疾患、神経筋疾患など重度疾患患者への支援が多かった。支援の出所は医療職からの提案が149件(90.3%)と大半を占め、本人希望11件(6.7%)と家族希望5件(3%)は活動支援に限られた。支援内容は食支援が146件(88.5)%と最多で、その他活動支援は少数であった。【考察】当院でのやりたいこと支援は重度疾患や終末期患者を中心に実施され、食支援が多いという特徴が示された。これは、食支援が活動支援と比べ受動的に提供可能であることに加え、当院が食支援に注力していることが要因と考えた。一方、活動支援は本人家族の不安が強く、一定の意欲と活動性を要するため、終末期や重度疾患患者では実施ハードルが高く、医療者側の時間的制約も影響したと考える。また、医療者からの提案が少ないことも活動支援が広がりにくい一因と考えられた。今後は、アセスメント強化や多職種による希望抽出、活動支援の提案と共に、取り組みの可視化により患者の希望表出を促すことが課題である。本研究は日本在宅医療連合学会の倫理審査で承認され実施した(受付番号2025-25)。