講演情報
[P1-48]施設入所後に再度自宅での最期を決意したALS療養者の支援 ~自分らしさを取り戻すために~
西尾 まり子1,2 (1.地域ケアステーション八千代・訪問看護ステーション, 2.近畿大学病院難病患者在宅医療支援センター)
【はじめに】長期在宅ALS療養者では介護状況の変化に伴い、本人の希望に添わない療養環境の変更となる場合がある。そのような場合に訪問看護師は、どのような寄り添う支援ができるのか考察したので報告する。【症例】対象:50歳代N氏男性。母、父と3人暮らし期間:201X年3月から+5年12月訪問看護記録と入所施設職員、患者と家族から聞き取った内容から症状の進行や心情の変化に対する支援内容を経時的に整理した。倫理的配慮:患者の個人情報の保護について配慮し、家族から書面にて同意を得た。症状経過:201X年3月体重減少、左上肢筋力低下201X年+2年10月呼吸状態悪化しALSと診断され訪問看護開始となる。201X年+2年11月NPPV導入。年201X+3年6月胃瘻造設。ADL低下し寝たきり状態となる。気管切開は希望されていない。介入経過:症状の進行から高齢の母への介護負担が増え、デイサービスやレスパイト入院等のサービスを利用していたが限界となり201X年+5年1月施設に入所。入所後に母より「施設に入ってから弱った」「痰がいつ詰まるかわからないと言われた。連れて帰りたい」と連絡あり。本人は「家は母が無理だから。もういい」と諦めている様子であった。意思決定支援を繰り返し行い「N氏らしい最期を送ること」を希望され201X年+5年5月在宅療養を再開された。介護ヘルパーを増やし療養通所介護も導入、訪問看護は1日3回訪問し排痰ケア、体位の調整等のこだわりのケアを施行している。意思伝達装置で好きな競馬情報をみて冗談を言いながらN氏らしい生活を送っている。【考察】様々な原因から在宅療養生活が継続不可能となり施設入所されるケースが増加している。入所後も意思決定支援を繰り返し言葉の裏にある本音を導き、可能な限りサービス調整をし残された時間を「自分らしく」過ごす事ができる支援の継続が必要であると考える。
