講演情報
[P1-58]・家族支援におけるICTツールの導入の実践と評価
-医療連携室での取り組み-
町田 亜希, 矢ヶ﨑 秀彦, 大森 由貴子, 安達 英里子, 荒巻 香奈子, 猿山 聖子, 伴 友紀子, 小俣 真由美, 前田 恵美, 慶野 裕栄, 中村 ちあき, 福井 麻由美, 髙橋 日香里, 谷田部 峰男, 坂口 敏夫 (医療法人あい ハンディクリニック)
【背景】当院では医療連携室開設から3年が経過し、多職種との連携が深まった。その反面、連携室の業務は多岐に渡り、業務量が多くなっている。その原因の一つとして、遠方に居住する家族が診察時の状態報告や必要書類のやり取りが滞り、時間を要する場面が多くみられた。現在家族との連絡は「電話」、「紙媒体での情報共有」を行っているが、シームレスな情報共有のために家族との連絡手段の見直しが必要であると考えた。今回ICTツールの導入により、一定の成果が得られたためここに報告する。【方法】ICTツールを導入し、利用者への接続用QRコードを付記した案内文書と名刺でのアカウント共有を行った。個人情報保護の観点から端末ロック等の対策を徹底、初期導入フェーズにおける情報漏洩リスク低減のため使用端末は1台に限定し、院外への持ち出しを禁止とした。【結果】ICTツールの導入により、遠方の家族との連絡を迅速に行うことが可能となった。一部の家族では、世代や生活背景により電話の方が連絡を取りやすいという意見もあったものの、多くの家族からは従来の手段に比べ、情報の既読確認や非同期での連絡が可能となり、肯定的な反応が得られた。特に緊急性の高い病状変化時において、迅速な情報共有と入院加療の意向確認が可能となり、搬送までの待機時間短縮に寄与した。【考察】ICTツールは、利便性は高いが、家族が利用しやすい連絡方法は世代や生活背景によって異なることが分かった。今後は、家族ごとに連絡方法や連携頻度を調整できる仕組みを検討し、一律の導入ではなく、基本的にはICTツールを導入しながら、家族に合わせたハイブリッドな連絡体制を構築することが、在宅医療における家族支援の質を向上させるものと考えられた。
