講演情報

[P1-89]施設入居患者における多職種連携による減薬と薬剤師の関わり

増根 海帆 (千葉薬品)
【はじめに】 高齢者では多剤併用となりやすく、75歳以上の4分の1が7種類以上の薬剤を処方されているとされる。今回「高齢者の安全な薬物治療ガイドライン」を参考に、多職種と協働し、長期服用や多剤併用のリスクを考慮した処方内容の見直しを行い、患者の不安に配慮しながら減薬を行った1事例を報告する。

【症例】 80歳代、女性。施設入居時には内服1日2回、ビタミン剤2種類と整腸剤2種類、鎮痛薬、降圧剤等を含む計10種類の薬剤を服用していた。 添付文書上、漫然長期投与に関する記載のある医薬品としてビタミン剤があり、整腸剤や鎮痛薬も漫然と投与されやすい薬剤である。施設看護師やヘルパーから患者の生活状況や訴えを継続的に聴取し、医師へ情報共有を行いながら各薬剤の服薬効果を再検討し、これらの薬剤を中止した。 また、施設入居以降、生活状況が改善し、血圧の改善も認められていたため、降圧剤の減量および中止を検討し、段階的に減薬を行った。 結果として、服用薬を1日1回1種類のみへ減薬するに至った。

【考察】 本症例では、医師、看護師、ヘルパー等と協働することで段階的な減薬を実施し、各薬剤の服薬効果を再検討することができたと考える。減薬初期には患者の不安が認められたが、多職種と減薬内容を共有し、繰り返し説明を行うことで不安は解消した。さらに、服用回数および錠数の減少により、患者の服薬負担に加え、服薬介助の負担軽減にもつながった。 具体的な基準を示した減薬提案を行い、漫然と長期投与されやすい薬剤について多職種で定期的に効果判定を行うことで、減薬への理解を得やすくなり、在宅医療で薬剤師が担う服薬管理およびアドヒアランス向上の役割を果たしていけると考える。