講演情報

[P1-9]「リビングウイル、よくわからない」に応える取り組み
― リビングウイル啓発の実践報告 ―

浦嶋 偉晃, 小宮 悦子 (公益財団法人 日本尊厳死協会)
【はじめに】
リビングウイルは、本人の意思を尊重した医療・ケアを実現するための重要な手段である。しかし日本では、学術的な検討や制度整備が進む一方で、医療者、一般市民ともに十分に浸透しているとは言い難い現状がある。特に「関心はあるが、よくわからない」「難しそうで自分には関係ないと感じる」といった層へのアプローチは限られている。
【活動】
こうした課題認識のもと、私たちは「リビングウイル、よくわからない」という立場の人を主な対象としたリビングウイルサロンや出前講座を企画・開催している。本サロン、出前講座では、専門的な知識提供を目的とするのではなく、参加者が自身の疑問や不安を自由に言語化できる対話の場づくりを重視している。医療・介護職、一般市民が参加し、少人数での対話や身近な事例を用いながら、リビングウイルを生活や人生の延長線上で考えられるよう工夫している。
【考察】
リビングウイルが広がらない背景には、制度や法的側面だけでなく、「理解していない人が参加しやすい場の不足」という構造的な課題があると考えられる。つまり知識、意識のレベルに大きな開きがあり、高まる人は高まっているが、関心の無い人は全く知識も意識がなく、我々はこの層にいかにアプローチするかを考えている。
そのためリビングウイルサロン、出前講座では、知識の獲得よりも対話を重視することで、参加者が自ら考え始めるきっかけを生み出している。
今後は、在宅医療や地域活動と連携しながら、このような場を広げていくことが、リビングウイルを社会に根づかせるために重要である。